今回は草原背景の描き方について解説していきたいと思います。
草原の描き方 第1回
今回は草原の描き方ということで空は以前描いたものに手を入れて使い回しています。
空に関しては空講座などを参照にしてみてください。
彩度の低い色で塗る
後で手前のほうは草を描いていきますが、まずは全体的に草の色を塗っていきます。
まずは彩度の低い色で塗っていきます。
彩4度の高い黄緑色で塗る
遠くのほうは空気遠近とかもあるので最初の色を残しますが、手前のほうを彩度の高い黄緑色で塗ります。
このときに手前ほど太く奥の遠くのほうを細くします。
これによって遠近感をつけることができます。
この太さが両方同じにしていくと真上からみたような俯瞰の絵に近づいていきます。
草を描く
草を描いていきます。
筆の入りや抜きが必要なのでシェイプのコントロールを筆圧にしたブラシで描いていきます。
※ブラシプリセットの自然ブラシ 葉線画カスタム
だいたいこのような草をいくつも描いていきます
Photoshop用は背景CGテクニックガイド?のCD-ROMにも入っています。
▲出雲寺ブラシセットにも入っています。
▲クリスタ版はこちら。
自然ブラシ 葉線画カスタムというブラシは比較的抜きやすいので、お持ちの場合は草を描くときにも使ってみてください。
周りに小さな草なども足していきます。
少し離れたところにこのような細かくて小さな草もあるといいでしょう。
逆に低い草ばかりになってしまったときは、たまには長い草があるとバランスがよくなります。
全面をこういった草で埋めてしまわずに省略しつつ描いていきましょう。
そのあたりは学校では教えてくれない風景スケッチの法則という本にも書かれていますね。
草はコピペしてもいいとは思いますが草ひとつひとつはシンプルな形で描いていますので、普通にすべて描いてもさほど手間でもありません。
コピペする場合はあからさまなコピペバレしないようにひと手間かけて調整しましょう。
草を馴染ます
最初の草のベースでは草が目立ちすぎるので浮いてしまっています。
そこで、草原をさらに濃い色で塗り重ねていきます。
※ブラシプリセットBC-d カスタム筆ブラシ.tpl 「カスタム筆ブラシ」、「カスタム筆ブラシ テクスチャなし」
なるべく奥のほうは元の色を残すようにします。
前回描いた草を隠すとこのような状態です。
草に明るい色を入れる

今度は逆に草原と草が馴染みすぎて草原の濃さによっては埋もれてしまったりします。

そこで草に明るい色を入れて視認できるようにします。

場合によってはもともと草を描いていなかったところに明るい色のみで草を追加するのもいいでしょう。
僕自身の描き方の変遷もあるので、最近は↑この真ん中の画像のようにすでに描いたところに明るい色を被せて描くというのはあまりやっていないです。
一度描いたところに別色で重ねるとしたら近景の場合でしょうか。近景の草であればハイライト的に重ねて塗ることもあります。
…と、今まではここでこのページは終わりだったのですが……

なんと、拙著【デジタルイラストの「背景」描き方事典】の内容を途中まで公開しちゃいます!!
ここからは書籍版の解説になります。
書籍版 草地の描き方
公園、空き地、庭など草の生えた地面はさまざまなシーンで使います。
草地には主にイネ科の植物を描きます。イネ科の葉は平行脈の長細い葉です。芝生の芝草もイネ科です。芝生のように刈り込まれて管理されているのであれば、草はあまり描き込まないようにします。逆に管理されていない草地であれば草が伸びている様子を描きこみます。
イネ科の雑草にはハマスゲ、オヒシバ、スズメノカタビラなどがあります。こだわってイネ科以外の雑草も描く場合は、葉の形が異なる点などに注意して別途資料を確認するとよいでしょう。
グラデーションを描く
画面上のほうは白く飛ばし気味にしています。草などの緑色を白飛ばしする場合は、緑から白の間に黄色をグラデーションに入れると良い色になります。
草に明暗のムラをつける
「カスタム筆」ブラシを使って、草に明暗のムラをつけます。ここではまだ草の葉を描かずに明暗だけを描きます。
拡大図
明暗のムラの役割

植え込みの下草

簡略図

植え込みの下草

簡略図
前工程の明暗には葉を描くためのアタリという目的以外にもう一つ役割があります。
草の葉を描くといっても、手当たりしだいに草の葉を描くわけではありません。主に明暗差のある箇所の葉を描きます。
例えば植え込みの手前に生えた草であれば、「植え込みの色」と「日陰の草の色」、「日なたの草の色」にそれぞれ明暗に差があるのでその箇所に草を描きこみます。
しかし、植え込みなどがない草地には、はっきりとした明暗差ができません。そこで、草地に明暗のムラを作ることで、明るさの違う葉を描きやすくしているのです。
草の葉を描く
誠に申し訳ありません!!
ここからは先は書籍での解説になりますので、どうぞよろしくお願い致します!
草地や雲など自然物が描けるようになるとこんな感じの背景が描けるようになってきます。
草の描き方 第2回
一概に草の描き方といってもADVゲームのシナリオ背景(立ち絵背景)のように引いた場面説明の背景イラストなのか、スチルイラスト(イベントイラスト)かなど描くイラストによって変わってきたりします。
引きなのかアップなのかなどなど色々と条件によっても描き方色々とありますよね。
僕が描いていて気づきやポイントなのかもと思ったことを色々とアウトプットしていこうと思います。
最初は草のバリエーションを増やすという内容になります。
草のバリエーションを増やす
最初から色々とやろうとすると手に余ると思いますので、まずはこれまでのイネ科の細い葉だけで描いてみて慣れてきたり試してみたくなるようなイラストを描く機会があったら挑戦してみていただけたらと思います!
低い草を描く
まずは。これまで解説してきたようにイネ科の葉は平行脈の長細い葉で描いた草です。
わりとこの細い葉だけでなんとかなってしまうことも多いのですが、今回はバリエーションで太い葉の草を描き加えます。
組み合わせるとこのようなります。近景でなければ点を打つようなかんじで描く程度でもそれっぽくなるかもです。
背の高い草を描く
こんな感じで背の高い草を入れてみるのもアクセントになるのではないかと思います。
組み合わせることで雑多の植物が植生している感じになります。
草を描くときのブラシにテクスチャを入れる
これは草の塗りがのっぺりしている気がして試してみたときに結構良いかもと思った内容です。
近景のBOOKになるようなアップのものでなく普通のゲームシナリオ背景に使われるぐらいの草原を描いていたときに有効と思った内容です。
- クリスタでしたらサブツール詳細の紙質
- Photoshopでしたらブラシウィンドウのテクスチャ
こちらでブラシにテクスチャを加えることができます。
これによってこのように草の塗りに質感が入ってアナログ感を少し加えることができます。
左がテクスチャなし、右がテクスチャありブラシで描画した草。
いつでも質感ありが良いとも限らないんですが、「なんか物足らないなぁ……」と思ったときに試してみていただけたらと!
近景の草の描き方のポイント
イラストなどでキャラの手前とか近くの草を描くことがあると思いますのでそういった草を描くときコツなどを解説したいと思います。

現在作成中……近日公開予定です
▼他の背景の描きかたもありますので、合わせて読んでいただければと思います。