今回は電柱の描き方を解説していきたいと思います!
【背景講座 電柱の描き方】
電柱の部材説明
電柱は木製の物など材質の異なるものもありますが、一般的なコンクリート製の電柱の解説になります。
高さ 6.7~13.4m
頭部直径 20cm前後
地面際直径 30~40cm
電柱の頭部は地面部の外径より細くなっています。 電柱全長の1/6の長さ、だいたい2m前後埋まっていて、地上13.4mの場合は全長は16m程あることになります。
部材解説
電柱は様々な線や部品があり、資料写真などを見てもどう描いていいものか
わかりにくいのではないかと思います。
個別の部品の役割などを暗記する必要はありませんが、軽くでも把握しておかないと、
写真資料を見てもゴチャゴチャして把握するのが困難だと思います。
コンクリート柱
一般的な電柱は上方が細くなっています。
しかし、10メートル程かけて細くなっているので、極端に細くしてしまうと逆に違和感が
出てしまうと思います。
近くにある電柱などで電柱の一部分しか見えずに、大部分が見切れてしまうような場合は、
細くなることは考えなくてもいいでしょう。
架空地線
一番上にある線。雷から守る役目。
グランドワイヤーキャップ
架空地線を支持するためにコンクリート柱の一番上に取り付けられるキャップ状の部材。
コンクリートポールの頭頂は20cm前後ですが、このグランドワイヤーキャップを取り付けてある場合はそこからさらに細くなります。
腕金
電線を支持するための金属の部材
ガイシ
絶縁するための部材。腕金に取り付けられ、絶縁して電線を支持する。
高圧線
電圧の高い電線。三相3線式。腕金に3本支持されている。
吊るされた電線は自重でたわんでいて懸垂曲線(カテナリー曲線)と呼ばれる曲線になっています。
電線の真下から真上をアオる構図ならほぼ直線になるかと思いますが、そのような場合以外は曲線を描くようにします。
引き下げ線
高圧線を支持する腕金に交差して取り付けた腕金にあるガイシから下にある柱上変圧器の載せてある腕金と交差した腕金に付けられたガイシへと引き下げる線。
この線から高圧カットアウトを通して柱上変圧器へと繋がっていく。
柱上変圧器(トランス)
これで高圧線の電圧を下げて、家庭で使える低い電圧にする。
描くときは太い円柱を描く要領で描きます。
物によっては無い場合もありますが、放熱板があるとそれらしさが増します。
放熱板はグネグネと波打っているので、近距離のアオリなどだとそれを表現する必要もあると思いますが、このように離れている場合であれば、円柱に沿った縦線を引くだけでも表現することができます。
低圧線
柱上変圧器で低圧になり家庭で使える電圧になった電気が流れる線。ここから引き込み線で各家庭へと電気が送られる。
すべての電柱にこれらすべてがあるわけではありません。
架空地線のない場合もありますし、柱上変圧器がない場合や逆に2つあったりなどバリエーションは様々です。
配電線以外にも電話線や光ケーブルなど通信のための線やクロージャ、街路灯なども電柱に設置されていたりします。
コンクリート柱の塗り
①線画の状態。
②色で塗りつぶした状態。
③陰側の色をいれます。
④明部の色をいれます。
⑤明部の色を広げた状態です。
前工程の明部の色のレイヤーを変形で広げています。
コンクリート柱は上下で太さが違うため、上部の太さに合わせたブラシサイズで直線を引いた場合、 下部では④のように細くなってしまいます。
左下のハンドルだけを左に移動させることで、上の太さを変えず下の太さを合わせることができます。
陰部と明部の広さは光源の方向によるので、この工程までで柱の塗りは完成でもかまいません。
⑥明るい色をぼかし気味に入れて明暗を馴染ませ、暗部を減らした状態です。
⑦コンクリート柱は灰色ではありますが、場合によってはそうした色の先入観に
囚われずに、明部を白くし暗部を青くするなど色を変えてみるのもいいかと思います。
また、このように全体が見えるぐらい離れている場合は必要ないですが、近距離の電柱の場合は、さらにアスファルトの地面と同様にザラついた質感を入れるといいかと思います。
コンクリート柱以外もだいたい同じような色で塗っていきます。
柱上変圧器を円柱状とわかるようににグラデーションに塗る以外は、ほぼベタ塗りに近いぐらいでもいいかと思います。
ガイシの色
ガイシなどは部分的に赤い色の箇所もあったりしますが、ガイシの位置は高いところにあり、近距離で描くことは少ないと思いますのでこの色などは簡略化して無視してもいいことのほうが多いでしょう。
黒に色をつける
電線や電話線などは特に塗るということもなく、線画をそのまま使うことができますが、線画のままだと色が真っ黒すぎると思いますので、色調補正などを使って微妙に色をつけたほうがいいと思います。
簡略化
絵として描くにあたってすべて描く必要はなく、省略することも表現方法だと思います。
そのため、絵柄などによっては簡略化して描いていいと思います。
たとえば、柱上変圧器がない電柱なら引き下げ線もいらないのでシンプルになります。
仮に柱上変圧器がある電柱であったとしてもあえて引き下げ線は省略してしまってもいいと思います。
現実のとおりでなくてもそれによって絵をスッキリと表現したいなど意図して表現するのはありだと思いますし、実際に引き下げ線は省略されていることのほうが多いのではないかと思います。
逆にゴチャゴチャとさせて密度のある手間のかかった印象を与える絵にしたい場合は略さずに描いていくといいでしょう。
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