海の描き方【水を描くときに知っておくべきコースティクスとは!?】

海背景講座




こんにちは出雲寺ぜんすけ(‎@blankcoin)です。

今回は海の描き方について解説していきたいと思います。

海の描き方 第一回

海の線画を描く

海1
まずは海の線画ですね。

海だけってのも絵的にさみしいので岩とか遠くの山とかも映る構図にしました。

ちなみに、崖とか岩ですが、大きな岩とかの脇に小さい岩を2、3くわえておくとそれっぽくなります。

雲とかでも、大きな雲の脇に小さな雲がポツポツあるのと同じようなものですね。

雲といえば、今回は夏なので入道雲(積乱雲)をいれました。

海塗り始め

海2海3
線画を外すとこんな感じです。

イケてないですね。
こんな段階で描くのを止めてしまってはいけません。

しかし、描くのをやめるなと言われても何を描き進めればいいんだって話ですよね。

ではそれを解説していきましょう!

空と海をわける

海4
まずは、空と海が一体化してしまっているので遠くの空を空気遠近的に白くしてわけましょう。

そして、波打ち際の泡のとこを描いていきます。

空と海をわける
海が単色で面白くないので右の画像のように明るいところを作ったりしましょう。

空と海をわける
しかしこのように空の側が水平線付近が白い場合に海側も白くすると境界がわからなくなってしまいます。

空と海をわける
ですからこのように水平線付近を避けて明るくしましょう。

空と海をわける
逆に空側を暗くすれば、今度は海面側を明るくすることができます。

海に限らず絵を描くときは形が分かるようにした方が良い。
そのため海と空の両方を同色同じ明るさにはしない方が良いということです

海の波打ち際を描く

波打ち際を馴染ませます。
波打ち際の砂を濡れた色にします(ここ重要)

海っていっても水なので、浅いところは透明に下の砂が透けて見えます。
そしてそこは乾いた砂浜の色ではなく濡れた砂の色になります。
なにより乾いた砂の色は白に近い色なのでその上に白い泡を描いても見えないのです。

海の波打ち際に限らず、明るい物を描くときは後ろを暗く、暗い物を描くときは後ろを明るくしないと何を描いているのかよくわからなくなるので意図的にそのようにしてます

理論的には↑で解説した海と空の境界を完全に同色にしないというのと同じですね。
砂を濡

海5
海の遠くのほうは光ってる点を入れるのと明るいグラデを入れるぐらいで描き込みません。

遠くの波まで描き込むと画面がうるさくなるし時間もかかるので、サラッとすませてしまいましょう。

あとは、砂の色を明るくしました。

そして、空とか岩とかも描き込んでますが、そこは今までの講座があるので省略します。

ただ、こういった遠い岩なんかの場合は岩講座で解説したようなクレーター的な凹は描き込む必要ないと思います。

離れているとよっぽど大きな凹みでなければ見えないので。

岩背景講座

岩の描き方【デジタルイラスト背景講座】

2008年9月7日

海に映る鏡面反射を描く

海に映る鏡面反射
水面に反射した岩を描くとなじみます。
これは遠景の海であれば暗めに落とした色の単色で塗ってしまってもいいと思います。

追記20191218
さらに絵の情報量を増やしたい場合は、「背景」描き方事典の湖のページで解説したように岩などを反転させて鏡像を描くという方法もあります。

色変えと馴染ませ

海6
まずは、色がいまいちだったので岩、崖と砂浜の色を変えました。

そして、崖が海や砂浜とパッキリわかれていたのでそれを暗い色で馴染ませました。

同様に海と遠くの陸を馴染ませるために海との境を白くして馴染ませました。

海の完成

海7
雲を整えて波を追加して海の背景の完了です。

…と、今まではここでこのページは終わりだったのですが……

なんと、拙著【デジタルイラストの「背景」描き方事典】の内容を途中まで公開しちゃいます!!

ここからは書籍版の解説になります。

書籍版 海辺の描き方

背景事典の海辺
海は、夏のシーンに描かれることが多い背景です。夏らしさを増したいときは「入道雲」を合わせて描くとよいでしょう。

ここでは遠浅の海岸を描きます。

白い砂によって明度の高い水色からのグラデーションになっています。

作例のような砂浜ではなく、すぐに水深が深くなる海岸を描く場合はもっと暗めの青からのグラデーションにします。

01 海の色を決める

背景事典の海辺
写真を参考に日本の海の色を再現してしまうと、高麗納戸のような暗い色になってしまいます。

設定では日本の海だったとしても、基本的に見栄えを優先して南国風のキレイな水の色になるようにコバルトブルーやペールターコイズで描くほうが一般的です。

02 グラデーションで海面を描く

背景事典の海辺
背景事典の海辺
背景事典の海辺
  1. グラデーションを入れます。
  2. 水平線に近い海面にさらに濃い青でグラデーションを入れます。
  3. 手前に来るほど明るくなるようにボケ足の大きなブラシでグラデーションを追加します。グラデーションツールだけでなく、ブラシと併用することでグラデーションの色を調整します。
海面と空の色をグラデーションでわける
背景事典の海辺
背景事典の海辺
海面と空の色が近いとNG例のように境界がわかりにくくなります。水平線近くの空が白くなるようにグラデーションを入れることで、境界をはっきりできます。

03 水平線を少しだけぼかす

背景事典の海辺
背景事典の海辺
水平線が完全に直線だと硬い印象になるので、少しだけぼかします。水面と空のレイヤーを分けているのであれば、ボケ足の大きな消しゴムツールかレイヤーマスクを使用してぼかすように消します。

分けていないのであれば、ボケ足の大きなブラシツールで水平線を塗ってぼかします。

05 砂浜の色のグラデーションを入れる

誠に申し訳ありません!!

ここからは先は書籍での解説になりますので、どうぞよろしくお願い致します!

書籍版 水の模様の描き方

ここから解説する水の模様も僕の執筆しましたデジタルイラストの「背景」描き方事典の内容になりますが、この水の模様については株式会社セルシスの運営するイラスト漫画描き方ナビに寄稿され、すでに公開されていますので当ブログでも途中まででなく全文掲載します。

背景事典の水の模様

【01】水の模様を描く

  1. 適当に曲線を描いて楕円形に繋げて描きます。
    水の模様1
    正確な楕円である必要はなく、ウネウネした線で適当にブロック分けされていればOKです。
  2. 最初に描いた周囲に追加していきます。
    水の模様2
  3. フリーハンドでさらにウネウネっとブロックを追加していきます。
    水の模様3
  4. 大きすぎるところは分割し、さらに外側に追加します。
    水の模様4

【02】水の模様の細部を描き込む

【01】ではおおまかな流れを解説しましたので、ここでは細部について解説していきます。

  1. 鋭角箇所
    水の鋭角箇所
    ブロック分けを適当にしただけの状態だと、鋭い角があって曲線になっていない箇所があります。
  2. 鋭角部分に曲線を足し、鋭い角も曲線で構成されるようにしていきます。
    水の曲線で構成されるようにしていきます
  3. 角を白く塗りつぶします。
    水の角を白く塗りつぶします
曲線部分の分割
水の曲線部分の分割

塗りつぶした白い部分があまり大きくなりすぎると変に目立ってしまいますので、穴を開けて分割するとよいでしょう。

【03】水の模様の線を調整する

線は均一の太さで描く必要はなく、むしろ細くなったり消えたりしているところがあったほうが見栄えがよくなります。

[消しゴムツール]で削って形を整えます。

削って形を整える

【04】集光模様(コースティクス)とは

ここからは【03】までで解説した水模様が、いったい何を描いているのかを考えていきます。

光がガラスや水の曲面で、鋭く反射、屈折してレンズのように集められると、光の模様ができます。

これを集光模様(コースティクス)と呼びます。

グラスやガラス玉の集光模様の写真
グラスの写真
ガラス玉の写真
光がガラスの曲面で、鋭く反射、屈折してレンズのように集められて光の模様ができる

海の集光模様の写真
海の集光模様の写真

水でもガラス同様に光の模様ができる

【05】集光模様は水面ではなく水底にできる

【04】のグラスの写真からもわかるように集光模様はグラスの表面ではなく、グラスを透けた光がテーブルに当たったところにできている模様です。

すなわち水で考えると、水面ではなく水を通った光が水底に作った模様ということになります。

しかし、イラストでは水面の表現としてこのように描かれるのを見たことがあるのではないでしょうか?

この場合、箱と水の境界のハイライトと模様が繋がっていて、あきらかに水面として描かれています。

このような絵を見かけていたため、筆者も以前は下図のように波で高くなり細くなったところでの光の反射によるハイライトが描かれているものかと漠然と考えていました。

波で高くなり細くなったところでの光の反射

しかし、水の模様を集光模様と考えるのであれば話は変わります。

集光模様は曲面による屈折や反射によって光が集められてできる模様です。

このように反射の集光模様は壁などの面にできる模様となり、屈折の集光模様は水底にできる模様ということになります。

集光模様は水面にはできないのです。
集光模様は水面にはできない

【06】集光模様の見える視線の角度

集光模様が水面ではなく水底の模様だということは、集光模様が見えるためには

「底が見える水深で俯瞰など水底の見える視線の角度」である必要がでてきます。

水深が浅くて俯瞰の集光模様

すなわち、水深が浅くて俯瞰の絵では集光模様が見えやすく、水深が深くて横から見たような絵では見えにくいのです。

【07】離れた位置にできる集光模様は繋がらない

集光模様は水底の模様であるということは、例えば人物が水に浸かっている状態を描く場合では、腕などにできる集光模様と水底にできる集光模様は距離が違うためつながらないということです。

水面の表現
▲模様がつながっているので、
水面の表現として描かれている
水底と側面の表現
▲模様がつながっていないので
水底と側面の表現として描かれている
解説の都合でこの図では消していませんが、本来ならこの立方体の影になる部分は光がさえぎられるので、立方体の落影の部分にある水底の集光模様は描かないほうがよいでしょう。

水底の集光模様

【08】水の模様と波紋を描くときの注意点

水底なのか水面なのかといったことを考えずにただ水の模様をテクスチャのように貼り付けておきさえすればよいと考えて描くと、違和感のある絵になってしまいます。ここでは矛盾のある例を紹介します。

下図のNG例では模様が箱の側面と水底で分かれてないので、水の模様を水面にあるものとして描いていることがわかります。

しかし、波紋という水面の表現は水面の模様に影響を与えずに描いてあります。

水の模様と波紋を同時に使いたいのであれば、模様は水底として描く必要があるのです。

水面の模様と水面の波紋NG
▲水面の模様と水面の波紋がそれぞれを無視して同時に描かれている
水面の模様と水面の波紋OK
▲模様が水底として描かれているので水面の波紋と矛盾しない

【09】水の模様と水面の明暗の注意点

水面の明るい箇所と暗い箇所では水面の波による角度の違いがあるはずですが、

NG例では水面にある模様が完全な平面に描かれたようになっているので違和感があります。

水底の集光模様として描かれていれば水面の凹凸との矛盾はありません。

水面の凹凸を無視NG
▲水面の模様が水面の凹凸を無視している
水面の凹凸OK
▲水の模様が水底として描かれているので水面の凹凸と矛盾しない

【10】水の模様は集光模様なのか泡なのか

ここまで水の模様は集光模様であるとして解説してきました。

しかし、それでは下図のような水面にある模様として描いてある絵が説明できません。
これは集光模様と同じ描き方ですが、光の模様ではなく水面に浮かぶ泡を描いていると考えるとつじつまが合います。

水の模様と同じ形の落影ができるのも納得です。
影が落ちているのでこの模様は泡
▲水面に模様があり、影が落ちているのでこの模様は泡

水の模様はテンプレ的な記号のように使われているので、描いている人もそれが集光模様なのか泡なのかを意識せずに描いていることもあるのではないかと思いますが、悩んだときには「水底に描く場合は集光模様、水面に描く場合は泡」と意識するとよいでしょう

【11】泡の影で水深を表現する

水面の泡とその落影を入れることで水底までの深さを表現できます。

やり方は水面の泡レイヤーを複製して色を暗く変えてズラすだけです。

水面の泡から落影をずらす距離によって水深が表現できます。

近いほど浅く、離れるほど深くなります。

泡から影までが近いと水深は浅い
▲泡から影までが近いと水深は浅い
泡から影までが遠いと水深は深い
▲泡から影までが遠いと水深は深い
背景の描き方講座まとめ

背景の描き方講座

2016年10月29日
背景の描き方講座まとめページ
他にも空、山、草原、木などなど、さまざまな背景の描き方を紹介しています!
まとめページから他の背景の描き方も見ていただけたら嬉しいです!

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