山の描き方【デジタルイラスト背景講座】遠景の山や短時間で山を描く方法!




こんにちは出雲寺ぜんすけ(‎@blankcoin)です。

今回は山の描き方について解説していきたいと思います。

遠くにある山の描き方

山のシルエットを描く

今回は山のシルエットを描くところから始めます。

まずは作業手順というより注意事項になります。
遠景山01

で、この山は何だ、富士山か?
そう思われたかたもいるんじゃないかと思います。

日本人は、まぁ、こんな形見れば固定観念で富士山かと思ってしまいやすいので
あえて富士山や富士山と似た形の山を描く場合でないのなら左右対称のシンメトリーな形にならないように崩しましょう

遠景山02
左右対称ではなくなりましたが、これではかなり近くにある山です。

地平線からかなり上まで山があり、画面の大部分を山がしめています。

大きさによる遠近感によって近い山に見えていますので小さくすることで遠景の山になります。

遠景山03
説明のため、富士山形から変化させましたが、実際に描くときは
上記の点を注意して最初からこの段階から描き始めることになります。

遠景山04
一見しただけだと違いがわかりにくいかとは思いますが稜線が直線すぎていたところを描きたしたりしています。

地味ですが、こういった作業が自然な感じを出しますのでなにげに重要かもしれません。

ただ、遠景の山なので、シルエットの輪郭に木を細かく描いたりする必要はありません。

遠景の物は描き込みすぎると逆効果になって、遠景のように見えなくなるので、意図的に省略します。

遠景は細部省略するためシルエットのみで充分だったりすることが多いです。

空気遠近法

遠景山05
遠景の山は山までの間の空間に空気があるので空気遠近により、大気の影響を受けます。

空気遠近法の解説のため、ここで少し理科的なお話をします。

空はなぜ青いのか

空はなぜ青いのかというと、太陽光と空気によるらしいです。

光が分子なんかに当たると拡散するんですけど、色にによって波長の長さが違っていて、青は波長が短いからたくさんぶつかって拡散するから青く見えるのです。

青よりも紫なんかのほうが波長が短いんですが、さっさと散乱しきってしまっているのです。

そんなわけで、紫の次に波長が短い青が空の色になってるわけです。

じゃあ夕日はなんで赤いかも気になりますよね。

それは
太陽の位置が真上にあるときが一番近いのですが、
夕方になってくると太陽が遠くなり、太陽までの間により多くの空気があるため、青も拡散しきってしまいます。

波長の長い黄色やら赤は拡散しきらずに届くので夕日は黄色や赤っぽくなってくるってわけです。

そんなわけで、なんもないはずの空に色があるのは空気中にて光が拡散しているからなわけですから、描く対象物との間に空気があればあるほどその影響を受けるということですね。

水蒸気や塵は分子より大きいから青だけでなく全部の色が散乱するため白くなります。

そんなわけで分子で拡散した青と、水蒸気なんかで拡散した白の影響を受けさせることで、空気遠近は表現できるんではないかと思います。

もちろんこれは晴れた青空の場合で、夕焼けになっているような夕方の場合は青は拡散しきって届かないので、黄色や赤の影響を受けるわけです。

空気中にある水蒸気なんかの影響で空気遠近は白っぽくなる
ってことでしたが、雲が白いのも同じような理由かと思われます。

普通の空気中よりも全然高い密度で水蒸気が集まっているから全色が拡散して白くなるのでしょう。

遠景山06
そんなわけで、間にある空気によって空気遠近はおきるわけですがわりとそんなに離れていない距離でも空気遠近法使った表現をすることはわりとあります。

これはある意味デフォルメ的な表現なのだと、思っていますが漫画のキャラクターの目が実写の人物よりも大きく描かれたりするのと同じで、絵の表現のいいところですね。

特徴的なところを強調することでハッタリが効きます。

まぁ、今回みたいに遠景の山なんかの場合はハッタリでなく実際に空気遠近起きる距離ですけどね。

山を増やします

遠景山講座07
今回は複製&拡大で済ませてしまっていますが同じ形だと不自然なので、それぞれ最初から描くか、もし少し変形させたり削ったり調整したほうがいいと思います。

山の遠近を表現するヌケを描く

遠景山講座08
シルエット99
手前と奥をわかりやすくする意味で、奥の山の手前との境付近を明るくします。

今回の絵は空気遠近で色をかなり変えてありますが、そこまで、色を変えていないと手前と奥の山が一体化して見えて境界がわかりにかったりしますので、そういった場合は特にこれをやっておくと見やすくていい感じになります。

シルエット講座の時に木とか追加したときに後ろを明るくしたのと同じような技法だと思います。

同化してしまいそうなときは部分的に明度に変化つけて差をつけるということですね。

一番右の山の暗いとこを塗っていきます

遠景山講座09
ブラシプリセットBC-d カスタム筆ブラシ.tpl 「カスタム筆ブラシ テクスチャなし」
を使っていますが、普通の丸ブラシでも代用できます。

とりあえず、ブラシの不透明度を少し下げて(不透明度70とか80くらい)重ね塗れるようにして描きます。

不透明度80
山の暗いとこを塗っていきます。

遠景山講座
最初から山のイメージが固まっていない場合にはこんな具合になんとなく描いたところから広げていくということもできます。

山の影色を描き込みます

遠景山講座10
前回のはみ出した陰の暗いところをさらに伸ばしてみたりしていきます。
遠景山講座解説03
ちなみに左のほうは今までの影色より薄く塗ってありますが、これはブラシの不透明度をさらに下げて塗ってます。


影色の上から明部を描きます

遠景山講座11
遠景山講座解説04
右のほうの点々はかならずしも必要ではないので、そのあたりにも光があたってそうかなというときに入れてみてください。

遠景になるほど情報量を減らすので遠景は描き込みすぎない程度にしておきます。

ここから先は別ページだった山講座を統合したので、遠景の山の解説はここまでになります。

「カスタムブラシを使って、10分で山を描く」

山01

カスタムブラシを使ってザックリ と山の影を描きます。

はみ出しても気にしません。

後でグループ化するので気にせずテキトーに行きましょう。

ぜんすけのブラシプリセット体験版でこのブラシが無料ダウンロード可能です。
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ベースとなる山の形を普通のブラシで描き、先ほどの カスタムブラシで描いたレイヤーをグループ化する。

グループ化することで大きく外れた部分は消えます。
山01

普通のブラシで多少影部分を描き足します。

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新規レイヤーで山の光と影を入れます。

アップだとアラが目立つので少し引いて見ます。

アップで使用するときはもっと描き込んでいく必要があります。

以上、制作時間およそ10分。

カスタムブラシを使わなくても描けますが、使うと短時間で描けます。

次はこの山をもとに、さらに描き込んでいく方法です。

ここから先は10分以上かかりますので、ご了承ください。

山の塗り込みメイキング

ここまではスピード重視で短時間で山を描く方法を紹介させていただきましたが、

「自分は時間かかってもいいから、しっかりしたやつ教えて!」
というかたもいるのではないかと思いますので、ここから先はちゃんと描き込んでいきます。

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山のどのあたりが明るいか暗いかを考える。

 全体的に平面的な印象があったので、立体感を出すために明暗を考えていきます。

この時点では後で塗りつぶすのでザックリとした感じです。

あと、山の輪郭(シルエット)も整えておきます。

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山の影になるほうをを暗くしていきます。

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山を塗り進める

ここから先はかなり力技です。
このように影を描いていきます。

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さらに山の影を追加で描きます

影だけでなく明るいところも塗りつぶしていきます。

カスタムブラシで描いた影の均一さを上から塗りつぶしてなくしていきます。

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さらに同様に山の塗り作業を続けます

いい背景CGを描くには多少しつこさが必要です。
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いいかげん、飽きてしまいましたか?

大丈夫です。
音楽でも聞きながらテンション上げて自然物描いてると最高に気分良くなります。
ランナーズハイのように何か脳内物質が出てる感じです。
その状態になれば、あとはひたすら納得いくまで描き続けるのみです。

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とりあえず、山ブラッシュアップ完了。

どうでしょう。参考になりましたでしょうか?

こうやって自然物の背景講座を書いているとキャラクターCGの塗り方講座の本がたくさん出版されているのに背景CGの描き方の本が見あたらない(2011年以降背景本が一気に出版されるようになりました)理由がわかるような気がします。

たとえば、キャラ原画を描くにしても自分がどう描いているか
意識せずに描いているから、絵を描かない人に「どう描いているか教えて」とか、「どうしたら上手く描けるようになる?」と言われても  教えるのは難しいのではないでしょうか?

「色々見たりして、ひたすら練習」などという答えになってしまうのではないでしょうか。

これは、別に意地悪で具体的に伝えていないのでなく、練習によって身につけてた技術は脳が自動処理しているので意識的な手順に基づいていないので、他の人に伝えるのが難しいのではないかと思います。

だから、今回はこのように作業途中を分解しただけの講座になってしまったのだと思います。

そんなわけで、自然物背景は具体的な説明をするのが難しいのです。

とはいえ、デジタルイラストの背景描き方講座とブログに銘打っているのでそんないいわけで煙に巻くわけにもいかないでしょう。

全体的な流れがわかったところで、次はその詳細な
描き方のコツ的なところの解説に挑戦してみたいと思います。

山の描き方のコツ

それでは、山の塗り方のコツを紹介させていただきます。

今回は画像をクリックしても大きい画像は表示されません。
というか最初から拡大して描いてあるので。

山肌のラフ

山の塗り方

山肌をラフに線画で描くとこんな感じでしょうか。

適当な絵で申し訳ありませんが、山の一部を描いた線です。

木らしきものをモジョモジョっと描いた状態です。

塗りのコツの話なはずなのになぜ線画?
と思うかもしれませんが もう少しおつきあいください。

山肌のラフの一部

山肌のラフの一部

上の一部分を切り取るとこんなあんばいです。
わりとシンプルな形です。

これを描けないという人は、まぁいないと思います。

山肌のラフを太く塗る

山肌のラフを太く塗る
じゃっかん太くするというか塗りつぶすというか。
このように、線だったものを太くしたり、 少し離れた点を作ります。

山肌ラフの下に緑のレイヤーを敷きます。

山肌ラフの下に緑のレイヤーを敷きます

別になんということはないです。
ただの単色の緑レイヤーを  先ほど作ったものの下に作るだけです。

合体 

山の塗り合体

上のを参考に 離れていた二つを合わせた感じに描きます。

わりといいかんげんな感じなので、 このへんまでも、だいたいの人が描けるのでは ないかと思いますが、どうでしょう?

整える。

山の塗り方
ザックリと塗っていた状態なので、整えていきます。

今回の手こずるとしたらここかなと 思いますが、 たいしてむずかしいことはやっていません。

上の整える前の絵と見比べていただければわかると 思いますが、明るい部分の右上側に少し暗い 色で塗り重ねて形を整えるということと下側の離れた明るい部分を三日月状というか、月が欠けるような形で塗りつぶしただけです。

さらに暗いところを作ったりします。

山の塗り方
この上の工程まででも山の塗り方によってはいけると思いますが今回のように塗る場合は、このように一段暗い場所を入れたりします。

暗いところに明るい点。

山の塗り方
 暗い部分にも明るい点(木)を入れたりします。

どうですか。これで山の一部の完成です。

山全体をこんな具合に塗っていけば、山が描けるのではないかと思います。

「ここからは力技」と言っていたところは今回の描き方をひたすら適用しているというわけです。

どうでしょうか、今回は少しは具体的に山の描き方のコツを伝えることができたのではないかと思います。

いきなり、山を描けない場合は、まずは今回のように山の一部を描いてみるのも良いかもしれません。

基本的に山の描き方はこれで一段落ですが、さらにいい説明や、もっと別な山の描き方を僕が体得したら、いずれまた解説したいと思います。


この内容は僕の執筆した書籍でも解説しておりますので合わせてご参考いただければと思います。
背景CGテクニックガイド詳細

  

…と、今まではここでこのページは終わりだったのですが……

なんと、拙著【デジタルイラストの「背景」描き方事典】の内容を途中まで公開しちゃいます!!

ここからは書籍版の解説になります。

書籍版 山の描き方

背景事典の山
富士山のように円錐形の山や鋭く尖った形の山などもありますが、ここではなだらかな山容の山の描き方を解説します。

距離があるほど空気の色の影響を受けるので、遠くのものを青よりの色などにして遠近感を表現する手法を空気遠近法と呼びます。

山は遠くにあることが多いので、空気遠近法を意識する機会の多い背景です。

空気遠近法では空気による影響を必ず青い色で表現するわけではありません。

晴れた昼では青よりの色にしますが、夕方や天気が悪いときなどではそのときの空気の影響を考えた色を使います。

01 遠景と近景の違い

背景事典の山
 遠くの物は小さく描くというのは遠近表現の基本ですが、さらに山の場合は遠景では傾斜角度も小さくなります。

これは最終的に地平線まで遠くなると完全に平らになるということを考えると理解しやすいでしょう。

遠景と近景では図で示したように様々な違いがあるので、近景の山をそのまま縮小しても遠景の山にはなりません。注意が必要です。

02 稜線を描く

背景事典の山
背景事典の山
稜線は直線ではなく消しゴムツールなどで少し手を加えてデコボコに描きます。

03 陰影を描く

 最初から山のイメージが固まっていない場合には、適当に描いたところから広げていくという描き方がおすすめです。

  1. 適当にハミ出しながら描いておくことで描き込んでいくためのヒントになります。ただし、NG例のように直線的に塗りすぎると、とっかかりがなくて次にどう塗るかが決めにくいので注意が必要です。
    背景事典の山
    背景事典の山
  2. ハミ出した箇所からさらに左側に陰を伸ばしたり、右側の陰の箇所に点々と光のあたる箇所を描いたりします。
    背景事典の山
  3. さらに光や陰を塗り足したり、消したりしながら整えていきます。
    背景事典の山

04 点結合描画法で描く

誠に申し訳ありません!!

ここからは先は書籍での解説になりますので、どうぞよろしくお願い致します!


背景の描き方講座まとめ

背景の描き方講座

2016年10月29日
背景の描き方講座まとめページ
他にも空、山、草原、木などなど、さまざまな背景の描き方を紹介しています!
まとめページから他の背景の描き方も見ていただけたら嬉しいです!