夜空(星空)の描き方
今回は夜空の描き方について解説していきたいと思います。
青空の描き方で作った空画像を使用します。
夜空の色にするために青い色で塗りつぶしたレイヤーをのせます
昼の空に、青い色で塗りつぶしたレイヤーを作ります。
それを乗算にして、不透明度を70%にします。
夜空の色味の調整をします
スクリーンで明るく調整します
乗算で暗く調整します
最終的にこのような色にするだけなので、レイヤーモードやレイヤーの%を忠実にする必要はないです。
雲の影色を暗くし夜空の色合いにします。
調整レイヤー、色相彩度で明度をマイナス70にしてます。
そのままだと雲全部が暗くなりすぎるので、その調整レイヤーにレイヤーマスクをかけて、雲のふちの暗くしたくないところを調整レイヤー適用外にさせます。
このやり方でなく、暗い色のブラシで普通に塗ってもいいです。
夜空の星を描きます。
星といってもただの白い点です。
均等になりすぎないようにランダムに点を打ちます。
夜空の月を描きます
今回は月メインじゃないので詳細描き込まずにただの円です。
月に注目を集めるシーンでなければ、問題ないかと思います。
範囲選択ツールでShift+mを押すと選択範囲を四角と円を切り替えることができます。
これで、円に切り替えてさらにShift押しながら選択すると真円ができます。
月を光らせます。
月レイヤーを選択してCtrl+Jで月レイヤーを複製します。
フィルタのぼかし(ガウス)4pixelでぼかします。
画像サイズによってぼかすサイズは変わってきますので、調整してください。
同様にもう一枚複製して、今度は15pixelでぼかします。
光に色をつけます。
15pixelでぼかしたほうを色相彩度で、色相の統一にチェックをして彩度65 明度-20にします。
これで緑っぽい光になったと思います。
レイヤーの順序を変えます。
このままだと周りに影響する光だけでなく月の色も緑なのでレイヤーを入れ替えて月の色を白くします。
4pixelでぼかしたレイヤーを15pixelでぼかしたレイヤーの上にもってきます。
これで月は完了です。
次は夜空の雲が月明かりに照らされた光をいれていきます。
最初はテキトーで大丈夫です。
雲を描くとき同様、ラフで入れた白を指先ツールで整えます。
これで夜空の完成です。
好みの夜空の色みになるよう調整する
↓の画像はレイヤーの不透明度とレイヤーモードをレイヤー名にした画像です。
(普段こんなに丁寧なレイヤー名をつけてないですが、参考用につけました)
とはいえ、調整でやっているので、毎回このレイヤーモードや不透明度にするわけではないので、こんなレイヤーモード使ってるんだなぐらいにしか参考にならなそうですね。
レベル補正で光を強くしたり、色相彩度の調整レイヤーで全体の色も少しいじってます。
拙著デジタルイラストの「背景」描き方事典にも夜空の描き方を説明しているページがありますのでよろしければそちらも見ていただけたら幸いです!
…と、今まではここでこのページは終わりだったのですが……

なんと、拙著【デジタルイラストの「背景」描き方事典】の内容を途中まで公開しちゃいます!!
ここからは書籍版の解説になります。
書籍版 夜空の描き方
夜空と、昼や夕方の空との大きな違いは星を描くということでしょう。星を描かなくても夜の空として成立しますが、入れることで絵の密度を増やすことができます。
夜の雲の場合でも青空の雲と同様に空の色よりも雲の色を明るくして、雲に陰を入れる描き方をすることもありますが、ここでは空の色よりも暗い色のシルエット的な雲と満月を描きます。
01 星ブラシを作る
アナログで星を描く場合はスパッタリングといって筆に息を吹きかけたり筆をぶつけたりして絵の具を飛ばすという方法を使いますが、デジタルの場合は星用にカスタマイズしたブラシ(星ブラシ)で描きます。
まず、ブラシの先端として4、5個の点を描いた画像を準備します。星の明るさは様々ですので、すべての点を同じ大きさにせずに変えておきます。
[不透明度]も「100%」の点だけでなく薄い点もあるといいでしょう。
これを[ブラシ先端のシェイプ]に登録します。
そして、[ブラシ]ウィンドウを開き、「カスタム筆」ブラシ同様に[シェイプ]の[サイズのジッター]や[角度のジッター]などを設定して、ブラシの大きさや角度が一定にならないようにして、[コントロール]も[筆圧]にします。
02 グラデーションで空を描く
昼や夕方の空と同様に空のグラデーションを描きます。
03 星ブラシで点を描く
新規作成した「星レイヤー」に、星ブラシで点を描きます。星ブラシをうまく作成できていれば、いいかげんにブラシをストロークしても自動的に図のような星の点が描けます。
04 星の量を増やす



- 星レイヤーを複製し、移動や反転などをして星の量を増やす。
- 星レイヤーの[不透明度]を下げて薄くする。
- 新規レイヤーを作り再度、星を描く。
【01】で星ブラシを作成したときに点の[不透明度]に変化をつけているので①の時点でも星に多少の明暗差はありますが、②で薄くした後に再度新たに星を描くことで、星の明暗差を増すことができます。
05 レイヤーマスクで星の量を調整する
誠に申し訳ありません!!
ここからは先は書籍での解説になりますので、どうぞよろしくお願い致します!
星の軌跡を描く
続いて次はリクエストをいただいた星の軌跡の描き方について解説していきたいと思います。
横線を描きます
一つ描いて複製でもいいですが、線どうしの配置をランダムになるように気をつけてください。
それを複製します
適当に色を白とかに変えたりしながら複製します。
フィルタ→変形→極座標をかけます
ここで一つ重要なポイントがあります。
それはここまでの工程は正方形のキャンバスサイズで作業することです。
実際に今回のは正方形になってますよね。
これは極座標の中心を画面の中心にする必要があるからです。
そうしないと円形ではなく弧を描いてしまうので今回のような形にならないのです。
星の軌跡の位置を移動して、夜空を描いていきます。
画面を広げて、軌跡の位置を移動して、夜空を描いていきます。
星の軌跡追加
星の軌跡が足らない気がしたので複製して増やします。
レベル補正をかける
レベル補正して夜空の色をハッキリさせます。
木を描く
夜空だけでも寂しいので木とか描いておきます。
この記事は夜空の解説なので木についての解説は省略しますが、このような場合はシルエットだけでの描画で大丈夫だと思います。

シルエット背景は作業の省力化しつつ見栄えするイラストが描けるのでオススメです
画面の範囲を決めて完了
そして、画面の範囲を決めて完了です。
星の軌跡まとめ
そんなわけで、星の軌跡を解説したわけですが、これって背景としては汎用性ないというか、そもそも背景になりずらい
というか……。
星が移動する長い時間を撮った絵なわけだから、当然そんな長いこと人物が同じとこにいるわけもないですからね。
使うとしたら、ストーリーの中でキャラクターが撮った写真として出すぐらいでしょうか。
でもまぁ、リクエストしてくれた方は喜んでいただけたみたいですし極座標のフィルタの使用例としては良かったかなと思います。
他の何かで直線を曲げたいときにでも、この講座のことを思い出してやってください。