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消失点とアイレベルとは【パースペクティブの描き方の基礎】

4 min
消失点とアイレベル
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こんにちは出雲寺ぜんすけ(‎@blankcoin)です。

僕が以前書きました過去のパース講座記事がパースの書籍を読んだことがある前提な内容だったので、初めて見た人にもわかるようにリライトしようかと思いました。

しかし、初心者向けに基本的なことを注釈入れてリライトしようとすると長くなりそうだったので、別記事として消失点とアイレベルの解説に絞った内容としてこの記事を作成しました。

≫イラストレーターが知るべきパース(透視図法)の知識まとめ

この記事ではこれから遠近法やパースペクティブについて初めて学ぶ人のために『消失点』と『アイレベル』について解説しています。

『消失点』と『アイレベル』を知ることで、1点透視図法と2点透視図法など線遠近法を学ぶための基礎知識が身に付きます。

パースについては工学社より出版されている、拙著背景CGテクニックガイドでも解説しています。

消失点とは

消失点
この画像のように二本の線が一つの点に集まることで遠近感のある絵を描くことができます。

これを線遠近法(パースペクティブ)といいます。

線遠近法において、線が収束して集まる点のことを消失点といいます。

たとえば、広大な場所で遠くに向かう長い道などで遠くに向かうにしたがって道が1点に収束していきます。

道
Ryan McGuire
によるPixabayからの画像

この並行なものの線が1点に集まる点のことを消失点といいます。

遠くに行くにつれ小さくなって最終的に見えなくなる(消失)するといったイメージでしょうか。

このように1つの消失点に集まる透視図法を一点透視図法といいます。

地面に直立している対象物の消失点は地平線にある

建物や家具など傾いていない物の一点透視と二点透視の消失点はアイレベル(地平線)にあります。

三点透視図法の三点目の消失点はアイレベルにはありません。

消失点が複数の透視図法

消失点が二つの透視図法を2点透視図法といいます。

一点透視のときは対象を正面から見ている(正対している)ため、一つの消失点だけに平行な線が向かいましたが二点透視になると対称が視線に対して傾きができるため、消失点が二つになります。

さらにアオリやフカンになると三点透視図法と消失点が増えていきます。

透視図法についてはまた別記事で詳細を書く予定です。

VPとは消失点の略称

消失点とは英語ではVanishing PointでVPと略して表記されることがあります。

Vanish(ヴァニッシュ)が消えるという英語でVanishingだと消失という意味になります。

パースペクティブ関係の書籍などでVPと書かれていた場合は消失点のことです。

アイレベルとは

アイレベルとは観測者の視線の高さ、わかりやすく言い換えればカメラの高さのことです。

画面内にアイレベルが入った場合は基本的にその位置に水平線や地平線がきます。

ようするに写真を撮るときであれば普通に立って目の高さで撮影することもあれば、しゃがんで撮ったりすることで低い位置で撮影することもできます。

このようにどの高さにカメラがあるかをアイレベルといいます。

ゲームで使われるアイレベルの高さ

アイレベルという言葉につられて、キャラクターの目の位置にしたくなったりしませんでしょうか?

しかし、ゲームの背景イラストではアイレベルが被写体の目の高さではないことが多いです。

資料写真を撮る際には普通に立った状態ではなく、少ししゃがんだ低い位置で撮影すると会話シーンなどのシナリオ背景にも使いやすい構図になると思います。

ポイント
胸ぐらいの位置で手をかまえるとそのまま使えるアイレベルの資料画像

アイレベルにあるものは同じ高さ

たとえば、アイレベルが腰の高さであったとしたら近くにいる人も遠くにいる人も腰の位置がアイレベルに並びます。

画面内の奥のほうに人物の背の高さを合わせて配置する場合はこれを利用して、アイレベルの位置に同じ部分が来るように縮小します。

ビルなど高い場所でのアイレベル

ビルなど場所でのアイレベル
高層ビルから外を見る絵の場合はそのビルの高さがアイレベルになるので、アイレベルの線に並ぶのはそのビルと同じ高さの物になります。

ですから、その場合アイレベルにあるのは他のビルや山だけになります。

ほぼすべての物がアイレベルより下にあり、アイレベルより上にあるのは空と雲のようになると思います。

アイレベルと地平線(水平線)は同じではないってホント?

たしかに、意味は違いますが……

『アイレベル』でGoogle検索すると『アイレベル=水平線って誤って考える人が多い件』というのが出てきます。

これは特定の誰かが書いたブログなどの記事でなく、Twitterの会話をまとめたtogetterのものなので初めて遠近法を学ぶ人にとっては少し混乱する情報に思えました。

Twitterで会話をしている方やまとめてくださっている方を責めているわけでなく僕の読解力のなさもあり、ひと通り読んだ結果、僕自身が混乱してしまったということです。

アイレベルが視線(カメラ)の高さで水平線は空と水面の境界のことだから別の言葉ではあります。

ですがアイレベルが高いビルにある場合でも地平線まで離れれば、結局地平線はアイレベルにあります。

対象が地面に直立している場合、実質的に地平線はアイレベルにあります。

そのためアイレベル=水平線ではないというこのTwitterまとめの意味することはなんなのか??

そんな思考の迷宮にとらわれてしまいました。

で、考えた結果つぎのようなことを言及していたのかなと思いました。

地面に直立していない場合であればたしかに地平線ではないところに消失点ができる

空に向けた1点透視
空に直方体を一点透視の角度に向けて持ったとしましょう。

そうすれば、その直方体の消失点は空にあります。

たしかにそこは地平線ではないですね!

このことをいいたかったのかなと思って、僕の中では少しスッキリしました。

アイレベル(水平線)という表記しても別にかまわないのでは?

しかし、だからといって

『地面に直立している場合は消失点は水平線にありますが、そうでない場合は違います』

と記述するのは初めてパースペクティブを学ぶ人には逆に少し理解しにくいのではないかなと思います。

普段描く被写体は地面に直立していることが多いので、消失点があるのはアイレベル=地平線(水平線)と思っていてもイラスト制作作業中に影響を及ぼすことはないかと思います。

僕自身背景イラストを15年以上描いてきた経験からいっても、そんなことを気にしてパースペクティブを難しいと思ってしまうことのほうが良くないと思うので、深く考えなくても大丈夫だと思います。

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▲この書籍で地平線とELの一致について漫画で丁寧に解説してくれています。

ELとはアイレベルの略称

消失点とは英語ではEye LevelでELと略して表記されることがあります。

パースペクティブ関係の書籍などでELと書かれていた場合はアイレベルのことです。

パース関連書籍の紹介


▲パースペクティブの入門書としてシンプルな解説でわかりやすい本です。

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▲パースペクティブの基本だけでなくさらに深く学びたい人に向いた本。
内容的には入門書よりもつっこんだところまで解説してくれていますがマンガで描かれていて読みやすい本です。

以下パルミーのパース講座。

パルミーとはなんぞ? というかたは当ブログでレビューしたパルミーの記事▼

≫パルミー(Palmie)お絵かき講座をプロが受講した感想

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