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当サイト管理人による著作、『背景の作画教室』 発売!

6 min
背景の作画教室
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こんにちは出雲寺ぜんすけ(‎@blankcoin)です。

 2024年10月2日に当サイト管理人に出雲寺ぜんすけによる著作、『背景の作画教室』が 発売します!

なにとぞよろしくお願い致します。

いやー、ついにこの本が発売します。

といっても長かったと感じているのは著者の僕と編集さんだけで、普通にこの記事を読んでくださっている方からしたら急にパッと出てきたという印象でしょう。

というのも執筆期間中特に途中経過とか発信していなかったのもあるので、多くの人にとってはいつの間にかそんなの書いてたんすね、という印象だと思います。

というわけで、本書の特徴を解説する前に一度この本が生まれる経緯や流れから遡って説明させていただければなと思います。

▼このツイートの日付を見ていただきたい。2020年ということでなんと4年前……。

『背景の作画教室』の執筆に4年もかかった話

そもそもの始まりは僕が2019年末にフリーランスになってわりとすぐに編集さんから昼飯でも食べに行きましょうかと連絡がありました。

そこで、また本出しますかって話になりました。

そのときはまだコロナ前だったんで普通に会って打ち合わせしていましたね。

じつは最初は背景イラスト技法書ではない別の企画の本の話もあって、いったんその企画で自分が書けそうかリサーチしていたんですが企画内容的にわりと難しそうだなと思いまして、プランBとして提示されていた背景イラスト技法書のほうで執筆することにしました。

そんなわけで、背景イラスト技法書の企画が通ったのが先ほどのツイートの2020年7月29日というわけです。

その後フリーランスの仕事のかたわら延々と書き続けてきたわけですが、当初の刊行予定は派手にぶっちぎってしまった結果になります。

とはいえ、実際に出来上がったものを考えたらこれはそんな短期間で出来上がるようなものじゃなかったよなとも思っています。

そもそも昨今のイラスト技法書はページ数の増大化しすぎている感はあります。

140ページか160ページぐらいが標準かなって印象なんですが、普通に200ページ越えの本も結構出るようになっています。

今回の『背景の作画教室』は192ページですが、結構削ったり、当ブログ送りにするなどしたので、200ページ越えの原稿を用意していたことになりますね。

書籍の価格はページ数に対して正比例しないので、作家にとっては作業量が増えて非常にリスクがあがるっているわけなのです。

イラスト技法書というのは雑誌連載しているわけでもないので途中で原稿料というものは発生しないため、本が出版されるまでは完全に無賃労働をし続けているわけです。

ましてめでたく世に出たとしても作業工数に対して売り上げが少なければ、とんでもない低時給で働いていたことになるリスクがあるわけです。(印税なので時給労働ではないですが、イメージとしての話です)

いってみればギャンブルとしてお金の代わりにとんでもない量の自分の時間と労働をベットしている状態なわけです。

7桁のギャンブルとかしたことありますでしょうか? 冷静になって考えるとかなりとんでもないことやっているんだなとビビりますね。
(商業出版なんで印刷代とかお金のリスクは著者はありませんが労力の賭け額はハンパないです)

そんなわけなので、本来は執筆に4年とかかけちゃダメなのです。

お金で換算したら震えるような額になる工数をこの1冊に賭けていることになってしまうわけでして……。

そんなわけで普通に生活のためにお金を稼ぐ仕事として考えたらサクッと終わらせないといけないのです。

しかしですね。そんなサクッと形にしましたってもので簡単に良い内容の本に仕上げられますか? とも思うわけです。

僕自身も一人のイラスト技法書の読者の立場として考えますと、やはり著者には本気で役に立つと思っているものを書いて欲しいと思うわけです。

なので、相当な時間と労力をこの『背景の作画教室』の執筆に注ぎこみました。

この4年間、書いている間は一円にもなりませんし、編集さん以外の人に見せることもないので、世間からの何の反応ももちろんもらえるわけでもなく、ただただ水面下でひたすらにコツコツと書き続けてきました。

まぁ、4年といっても4年間ずっとこの本の執筆をしていたわけではなく別の仕事をこなした後の余暇の時間を返上して進めていた感じです。

というかそうでなければ4年も無収入で書き続けるのは不可能なわけで、さっさと書き終わらせないと生活のほうが破綻してしまいますからね。

他の仕事をして収入があるからこそ、食べていくためのお金を本の執筆から得られずともじっくりと腰を据えて取り組めるというわけです。

フリーランスの時期においては休日や平日の朝晩といった余暇時間だけでなく、何か月もこの本の執筆メインで平日の日中も仕事していた期間もありました。

何年もの間、休日にやらねばならないタスクがあり続けていたので完全に心休まる状態にならなかったと思うので、今振り返ってみても大変だったなと思います……。

でもそれだけやってきたからこそ今回の本は、著者である僕自身も今後の創作活動をするうえで使っていける本に仕上がったと思っています。

正直なところ自分のためだけだったらこんな面倒なことできなかったですが、本にすることでみんなにも役立ててもらえるのならと思って作りこんできましたので、読者の方々にとっても

「この本使えるじゃん」

と思ってもらえるようなものになっていることを切に願います。

カッコつけずに大変だったと言ったっていい、むしろ言ってほしい

はい、そんなわけで大変だったけどがんばってこの本を作ってきましたよって話をさせていただいてきたわけですが……

読者からしたら正直なところ知ったこっちゃない話ですよね……。

結局のところ本の内容が良いか悪いかしだいなので、著者が何年も休日返上で頑張っていようがどうだろうがそんなことは関係ないよなってことは僕も重々承知しております。

じゃあ何でこんな話を長々としているんだよってことなんですが、

それは読者の中には将来のイラスト技法書著者になる人もいるかもなー、と思っているからです。

は? いやいや、将来のイラスト技法書著者に向けてなら、

大変だったとか言ってないで「本の執筆楽しいぜ、最高!」とか「本を出版するとこんないいことあるぜ」ってことモチベ上がりそうなこと伝えたほうがいいんじゃないのと思かもしれません。

いやそれが、実際書いてきた経験からするとそうでもないよなと思うわけです。

そういう言葉は書き始めるにはいいんですよ、書き始めるまでは。

でも、書き続けることには効かないんですよね……。

どのような創作でも完成までもっていくのが大変ではありますが、イラスト技法書の執筆もまさにそれで、作成制作、図解画像、解説文章などなど多岐にわたる作業を完成まで継続していかなくてはならないのです。

それぞれの工程にはとても時間がかかるので、途中で本当に完成するのかと思ったり心が折れかけることもあるわけです。

そんなときにはそんな「執筆楽しいぜ!」みたいなポジティブな言葉はまるで無力なのです。

無力どころかマイナスにすらなりかねない。

絶望的な物量に心折れかけている人にとっては、他の人がすらすらと仕上げることができている(ように見える)のに自分だけがこんなにも大変なのかと思ったら、完全に糸が切れてしまうことでしょう。

だからむしろ大変だったと正直に言ってくれていることのほうが励みになるのです。

実際に僕は今回の『背景の作画教室』の執筆期間中に以下の高原さとさんの以下のブログ記事を何度か読み返しています。

このブログ記事は執筆が大変だったということをちゃんと書いてくれています。

自分は中身を読んでると執筆を思い出すのでとても疲れます。
何回か書くの辞めようと思ったけど、なんとか最後まで書くことができてよかったー。

絵の描き方の本を出版することになった話 | 高原工房

▲たとえば、この1文とかホントそれ! って感じです。

ただ、とにかく量が多かったため、途中で何度か挫けそうになりました。

執筆の集中力を保つために、何度かビジネスホテル に泊まって集中的に執筆しました。

たしか3回くらいやったと思います。

絵の描き方の本を出版することになった話 | 高原工房

完成しなければそれまでにかけてきた労力が無駄になってしまうという怖さや、こういった途中で挫けそうになった話。

こういった執筆大変だった話は意外にも貴重であまり見かけない気がするんですよね。だから僕はこのブログ記事が励みになりました。

毎度こんな大変なのって自分だけじゃないんだな…。
みんなもこうやってがんばって書いているんだな……自分ももう少し頑張ろう。
そう、思えたので。

「大変だった、疲れた、やめようかと思った」そんな一見ネガティブに思える言葉が逆に人を励まし、もう一度がんばってみようと次の一歩を進めさせる力となることもあるのです。

イラスト技法書の執筆という名の鉄骨渡り

イラスト技法書の執筆は終盤は編集さんと協力して仕上げていきます。
フィードバックいただいたものを推敲してさらに良い本になるために共闘しているイメージです。

しかし、その段階に至るまでが非常に長く、延々と続く孤独な戦いです。

本当に完成させられるだろうか、完成しても売れるのか、無理かもしれんと心折れそうになっても誰に相談できるわけでもないですし、誰かに助けてもらえるわけでもありません。

長く……長く続く鉄骨をただ独りで渡り切らなければならないのです。

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このイラスト技法書の執筆という名の鉄骨をあなたも渡る日がくるかもしれません。

そのとき、僕は直接手伝ってあげることはできないかもしれません。

オレは…佐原を救えない……佐原もオレを救えない……
絶望的に離れ離れだ……!

賭博黙示録 カイジ 8

でもブログでこうして伝えることはできます。
「ここに存る」と、同じ鉄骨を渡る者として。

ここにるぞっ……!

同じ苦しみ…………同じ道程を行く者が………
ここに…! ここにるっ………!

賭博黙示録 カイジ 8

僕もなんども心折れかけたし、正直大変だったときもあります。

仕事だと思うと完成するのかとか、ちゃんと売れて元が取れるのかとか不安になることもあるかと思って当然です。

もし、他の仕事もあったり生活に困る状況でないなら、執筆はライフワークとしてやっているとか、ゲームとしてやっている感覚で日々の日課として、目の前の原稿を地道に継続するぐらいの感覚でいたほうが完成まで続けられるのかもしれません。

先を見なくていい……! 目の前の一歩が全て…!
この小さな一歩を…… ただただ……積み重ねていけばいい……!
一歩ずつ…… 一歩ずつ…… 一歩ずつ……!

賭博黙示録 カイジ 8

いや、なんで急に僕はカイジの鉄骨渡り編の引用し続けながらずっと語っているんでしょうか? 

まぁ、それぐらいのギャンブルを渡り切ったぞって気分なんでしょうね、今は。

しかし……!

残念ながらたとえ渡り切ったところで、この鉄骨渡りのチケットが換金できるのか否かは本の売れゆきしだい……!

というわけで『背景の作画教室』のほう何卒宜しくお願い致します!!

ぜんすけ

ぜんすけ

そんなわけで、長くなってしまったので『背景の作画教室』の内容に関する紹介はまた別の記事でしていきたいと思います!

公式としてはCLIP STUDIO PAINTを使用している書籍なので上記CLIP STUDIO ASSETSからダウンロードしていただく形になりますが、幅広い読者のかたに役に立てていただきたいと思い、Photoshop用のブラシとスウォッチファイルも用意しました。
Photoshopユーザーの方は以下から無料ダウンロード可能です。
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