今回はゲーム会社で働いていたときの元同僚とオンラインで飲んだときに転職の話を聞いたのでその話を元にゲーム会社のリアルな転職事情を紹介したいと思います。
ゲーム業界に限らず一般の転職や新卒の就活にも同じことが言える内容もあると思いますので、いずれ就活をしないといけない学生のかたも今のうちに見ておくと役にたつことがあるかもです。
僕自身もゲーム業界で社内CGデザイナーとして働いていましたので、その経験からも語ってみたいと思います。
この記事を書いている出雲寺ぜんすけについて
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ゲーム業界の転職は10社書類送って1社面接!?
これは統計データとかでないのでこれが正しい数値だと主張する気はさらさらありませんが、元同僚との会話であったリアルな数値です。
そして僕自身の過去の転職をこちらの記事でも語っていますがそのときの感覚からいってもそんなものではという肌感です。
これは職種やポートフォリオによって変動しますのでじつはひとぞれぞれなところなのですが、新卒などで就活自体はじめての場合は書類でどのぐらい落とされるかがわからないんじゃないでしょうか。
中途で経験のある人材でもこのぐらいは書類で落とされるということは覚悟しておくと逆に落とされてもいちいちダメージを受けなくてすむのでいいんじゃないかと思います。
就活はタイミングだから気にせず送る。お祈りされても微塵も気にする必要なし
就活は数が勝負。いちいち凹まない。これが鉄則ですね。
そのへんについてわりとしっかり僕の事例をぶっちゃけつつ紹介しているのがこちらの記事▼
【ゲーム業界など】絵描きの就活(転職)で心が折れないための5つのポイント
ポートフォリオや面接の改善で多少の成功率は上がったとしてもタイミングによっては落ちるもんは落ちる。
そんなわけでゲーム業界に限らず就活はとにかく応募数が大事なのです。
履歴書は手書きである必要なし
元同僚が応募した企業の中に手書きの履歴書を求める会社があったそうです。
手書きの履歴書で人柄を見るなどの謎の慣習は平成までで終わってるかと思ったのですがこの令和の時代にまだ存在していたらしいです……。
元同僚は手書きというのを見なかったことにして、デジタルで提出したようですが問題なかったという話です。
手書きと指示があって、それをスルーしては落とされても文句は言えないと思いますが意外とそこで落とされないケースもあるというのは感心しました。
ぜんすけ
個人的には素直に手書きで応募するか、面倒と感じたらその会社に応募することをやめてしまっていたと思うので、他の人の体験談をこうして聞けるのは参考になりました
その企業がどの程度そこに重きを置いているかしだいですが、ポートフォリオというもっと合否の判断に重視される資料があるゲーム業界の就活であれば手書きでの判断の重要度が下がるということでしょう。
僕自身もかつての転職では一度書いた手書きの履歴書をトレース台でなぞって手書き履歴書を量産したこともありましたが人生の無駄以外のなにものでもなかったなと思います。
手書きの履歴書作成に労力をかかるがゆえに応募企業が減るぐらいならそのぶん応募する数を増やしたほうがよほど就活の成功率はあがるでしょう。
面接は数こなして場に慣れる
今回転職活動した元同僚も最初は面接で緊張して硬くなってしまったということですが、いくつかこなしているうちに場に慣れてきたと話していました。
面接自体緊張はやはりするものだと思いますし、初めてだったり数年ぶりの転職活動での面接だとなおさらではないでしょうか。
相手もそれぞれなので、かならずしもいい雰囲気だったら採用というわけでもないですが、回数こなしていれば緊張は薄れるのでより本来の自分として面接の場を迎えることができると思います。
面接の練習をセルフ動画撮影
元同僚がやっていたということで感心したのが面接の練習を自分で撮影して客観的に確認していたということです。
いわく、動画でみたら自分がいかに硬い話かたをしていたかわかったとのこと。
たしかにこれはプレゼンやスピーチなんかにも使えるテクニックなので面接にも活用できるというのはそのとおりなんだろうなと思います。
メールでのやり取りで応募先の会社のしっかり具合を見極める!?
元同僚はメールのやり取りで応募先の会社がしっかりしている会社であるかを判断したといっていました。
人によってはフランクな会社がよいという場合もあるのでケースバイケースかもしれません。
しかし、メールや面接時の面接官の対応などこちら側も会社を判断する情報なので様々なことを見落とさずに判断材料にするのは後悔しないためにも重要かもしれません。
役員面接用など面接の段階で逆質問を考える
じつは役員面接でも落ちることってあるんですよ。知ってました?
そりゃそうだろ、だってそのためにわざわざ忙しい役員が時間をさいて面接しているんだから。
そのとおりです。しかしですよ、人員を募集していて現場の人間がOK出している状況です。わりと平気なんではと思ってしまう人いるんじゃないでしょうか?
はい、僕のことです。わりと油断して役員面接に行って普通に落ちた経験あります!
面接の後、色々とあれが良くなかったなとか反省点もありましたが、後からウワサ話的なことでわかったことですがその会社はバリバリの体育会系の会社だったらしく、僕にはあまり向いていなかったようなのです。
そういう意味では、さすが役員のかたというのは人を良く見て自社に合うか判断されているんだなと感心します。
僕のケースの場合は落としていただいて結果オーライだったのかと思いますが、入りたい企業があってもう少しで内定というところで落ちてしまうのはもったいないですよね。
そんなわけで、以前の僕のように油断せず、元同僚がした役員面接の準備が役に立つと思いますので紹介します。
それが、役員面接用の逆質問を用意しておくということです。
役員面接用の質問ってなに? それまでの面接の逆質問と何が違うのと思いますよね。
ピント外れの質問をして変な空気にならず、熱を持って語ってくれるでしょうし、何より会社の理念的なことやどういったことを目指しているのかなど自分と会社が合っているかをこちらが判断するのにも必要な話を聞くことができるというわけです。
僕も元同僚からこれを聞いたときはなるほどーと感心しました。
給与交渉は内定後のオファー面談
なにげに僕としてはこれが一番感心した情報だったんですが内定後に給与交渉していたってことです。
僕の転職していたときの感覚だと内定前の面接のどこかでそれとなく希望年収を質問されたりとかあったりするので、その場でそれとなく交渉して、あとは会社に提示された額でのむか否かってイメージがありました。
面接時だと相手によっては給与を決める人でない場合もあるし、下手なことをいうとサクッと落とされるだけって気もするのでなんとも交渉らしい交渉はやりにくい印象がありました。
この記事を最初に書いたとき、僕はオファー面談というやつ知らなかったので、この元同僚の話で初めて知りました。
その後、自分自身も再就職した際にオファー面談を経験したので以下の内容を追記します。
オファー面談はすべての会社であるわけでないのですが、内定を出したあとすなわち企業側としては採用することを決めた後に行うのでそれまでとは逆に求職者が他の会社と悩んでいるようならそれを説得するという場という感じですね。
とはいえ、給与面については会社側も出せる額は決まっていると思いますのでいつでも交渉の余地があるともいいきれません。
資本主義の基本ルールにしたがって前職給(生きていくのに必要な賃金)をまずは提示してくるはずなので、前職給があきらかにその応募している企業の平均的な給与より低い場合なら交渉の余地ありといった感じですね。
なので、最初から企業側があなたを確実に採用するために上限ギリで提示してくれている場合などはオファー面談といえど給与交渉の余地はない場合もあると思います。
オファー面談はその場で内定承諾してもOK?
エージェントを使っている場合は他の企業と交渉をするためにもオファー面談時は即決しないで持ち帰るように指示があると思います。
これは個人の場合も同じで複数同時に応募していて別企業ともオファー面談が予定されているなら即答する必要はありません。
しかし、他を受けていなくて持ち帰ったところでOKをするつもりなら、その場で返事せずに家に帰ってからメールで返答するのは無意味な行為ということです。
とはいえ、労働条件などをその場で説明されると思いますがそれについて気になる箇所がある場合やじっくり確認したいというのであれば持ち帰ってから検討するのもありです。
ゲーム業界の転職には職種ずらしは有効
そもそもなんのためにゲーム業界の仕事をしたいのかにもよりますが、単純にゲーム業界で働きたいということであれば、どんな仕事をするかがポイントになってきます。
≫【クリエイターの転職】ゲーム業界でCGデザイナーになるために必要なスキルとエージェントまとめ
▲こちらの記事でも解説したようにイラストを描きたくてゲーム業界に入ろうとした場合はじつはなかなかに修羅の道だったりします。
社外のフリーランスの歴戦のイラストレーターと技術力で張り合わないといけないので並大抵ではないのです。
しかもフリーのイラストレーターに発注する場合は継続雇用ではないのでゲーム会社的には雇用による出費もおさえられます。
ではゲーム会社が社員を採用する利点は?
完全にグラフィックに関する人員がいないとやはり会社としては厳しいので社内にCGデザイナーは必要になります。
こういった人材を社員として雇うことでグラフィックの責任者や外注とのやり取りやクオリティの管理などを担ってもらうことができます。
正社員登用することで長く働いてくれるので、機密保持の観点やコミュニケーションの面でも利点もあるでしょう。
管理と作画のせめぎ合い
なかなか世知辛い話ですが、イラストを外注しゲーム会社社内であんまり描いていないということは結構あります。
なかには内製でやってる会社もあるんですが、結構な割合で外注に出しています。
すべてを社内で賄うにはかなりの人員が必要になったりするのでいたしかたない面もあります。
しかし、ゲーム会社で働こうとするデザイナー側は絵を描く仕事をしたいと思って就活していたりするという、需要と供給のミスマッチがあります。
実際に働いていた現場の経験からいうと、外注の対応もしつつ外注のイラストのあがりを待つ間に社内でも描くという体制にするなどして外注管理業務だけでなく実作業もできるようにと内部で働いているデザイナーの抵抗というか折衷案的な仕事のしかたになっている場合があったりします。
僕の場合は背景イラストということで、多少レアな部類のイラストレーターかつプロジェクト内容によってはそこまで大量の枚数が必要なく一人でも対応可能という場合もあって実作業を結構やれる状況が多かったほうではないかと思います。
イラストを描くことだけがゲーム会社のCGデザイナーの仕事ではない!?
そんな中でゲーム会社に就職するために職種ずらしは有効だと思います。
そもそもの目的が絵を描くことが目的でゲーム会社に就職したいのではなく、ゲームを作りたいからゲーム会社に就職したい場合もあるんではないでしょうか。
ゲーム会社で働きたいけどプログラマーやプランナーの仕事が自分に向いていないという場合でデザイナーとして就職したい場合はイラストレーターとしてではなく別のデザイン職として就職するほうがライバルもすくなく、ゲーム会社側の需要にマッチする可能性が高くなるというわけです。
UIUXデザイナー、アニメーション、エフェクトデザイナー、3DCGデザイナー、アートディレクター
UIUXはゲームの企画の初期から動きますし、社内のプログラマーさんとの連携も密に必要な役割ということもあり社員として確保したい人材であること間違いなしです。
大手であれば複数のUI人材を抱えていることもありますが、中小ゲーム会社だと求人を出していても経験者の応募がなく、未経験のデザイナーを活用してどうにか回していたりすることもあります。
同様にアニメーションやエフェクトなどもできる人は限られているので重宝されます。
3Dデザイナーは昨今のBlenderというフリーで使えるソフトの隆盛はあるものの、ゲーム会社で使われているソフトがMayaというかなり高額なソフトがメインであることが参入障壁として機能していることもあり、2DCGの人材よりも優位性があることが募集の年収からも見て取ることができます。
アートディレクターは文字どおりグラフィック、アート関係の監督という場合もありますが、求人サイトなどを見ているとそのケースとは違って外注のハンドリングをする外注のディレクションをする外注対応の仕事という場合もあるようです。
こういった外注対応人員の場合、前述したような管理と実務のせめぎあいが必要なく、管理に専念してもらえるので会社側からすると都合がいいというわけです。
このようにゲーム会社側が求めている仕事に合わせていくことで就職の優位性を確保することができます。
ちなみに今回の元同僚はもともとはグラフィッカーでしたがゲームを作ることに興味があり、イラストを描くこと自体にはそこまでこだわりがなかったこともあり、制作進行などの仕事での応募もしていたということです。
おわりに
そんなわけで、僕も今回の話を聞く前から知っていたゲーム会社に元同僚が内定が取れたということでした。
今回の話に出てきたテクニックなどは意外と僕も聞いていてなるほどと思うことも多くあったのでこれから就職活動をするかたの役に立つ内容もあったんではないでしょうか。
僕もいつかまた就活することがあったらこの記事を読みなおそうと思ってます