就活をこれから始めなくてはならない。もしくは転職をすることを決めた。
そんなときに画力以前に知っておかないと詰んでしまいやすいことをまとめました。
今回は就活(転職)の話ということで軽く今までの僕の職歴を述べておきます。
僕は大学を卒業したあと、16年ほどサラリーマン(正社員)として企業内で背景イラストなどを描いてきました。
3つの会社で働き、最初の会社(遊技機開発)が7年、2社目(PCゲーム)が4年、3社目(ネイティブアプリゲーム)が5年といった内訳です。
短い期間で渡り歩くタイプの人も結構多いですが、僕の場合はわりと腰を据えて勤めるほうだと思います。
で、この3社のうち2社は倒産(事業縮小)となりました。
正社員だから安定などとまったく言っていられないそんな世の中なのです……
ちなみに今はフリーランスの絵描きとして開業して活動しています。
就職活動の方法とかって子供の頃から教わるわけでないので、すでに社会人になっていると当たり前のことも学生のときだと知らないこともあったりするんじゃないかなと思いますし、うちの背景講座を読んでくれている人はクリエイター系の仕事をすでにしている人やそれを目指している人が多いと思いますので、参考になればと思います。
サラリーマン歴が長いので応募側だけでなく採用側の視点にも触れられますので、そのあたりも見どころです。
それでは、僕の過去二回の転職活動と大学時代の就活を振り返りながら就活で必要なことをまとめていきたいと思います。
▼イラストを始めるのに必要な道具、学習、就職など当ブログ内容の総まとめ記事
≫イラストレーターになる方法の全知識まとめ【現役のプロが解説】
ジャンプできる目次
就活(転職)ポイント1 同時にできるだけたくさん応募せよ!!
大学時代の就活
まずは、大学時代の就活のときの話ですが何となく周囲の雰囲気にのまれつつ説明会に行ったり、エントリーシート出したりしました。
(ちなみに僕が通っていたのは美大とかでなく、普通の大学の日本文学科で俳句やら小説書いたりするようなゼミにいました)
最初の時点では絵の仕事に絞ってたわけでもなく、その頃は映画とかもよく見ていたので映画配給会社とかにもエントリー出していた記憶があります。
映画配給会社の課題で指定された映画を見て、どう売っていくか(宣伝してくか)的なのを答えるものがありましたが、その課題映画がこれまた尋常じゃなくつまらなかったわけです。
このクソ映画を神映画のように宣伝していかねばならないとは闇の深い仕事やで……などと思いつつ、徐々に進路をゲームとか絵関係の方に絞って行きました。
ここでさっそく1つ目の重要な就活のテクニックをお伝えします。
当たり前すぎますか?
いや、そうですよね。でも恥ずかしい話ながら、当時の僕は就活の基礎の基礎もわかっていなかったんですよ。
なので、当時の僕みたいな人に届け! というつもりで書いています。
ゲーム業界に応募するようにしてからは特に、新卒採用とか関係なくホームページを見て応募したりしていたんですが、同時にではなく返事を待って落ちたのを確認してから次に応募していたんですね。
でもそんなことしていると応募できる数は少ないまま就活の時期などあっという間に過ぎてしまいます。
本当に言ってあげたいですね、散々お祈りされてるんだから複数同時に内定取れたらこちらがお祈りするターンになっていいんだよと。
この1つ目のポイントを実践できていなかった僕は、
結局新卒時に就職できず卒業してしまいます。
ぜんすけ
……やっちまいました。ほんと、就職戦線完敗です……
普通に考えたら、この段階で自分には絵で食っていく才能ないなとあきらめるべきタイミングなのだと思います。
しかし楽観的でマイペースゆえに内定取れない事態になってしまいましたが、その楽観的思考のおかげで簡単にあきらめずに就活を継続することができました。
で、卒業後一ヶ月後ぐらい、4月末か5月頭あたりにアルバイトというかたちで、遊技機開発……ようはパチスロの液晶アニメの制作に参加することになります。
そこで数カ月働いたところ、そのとき働いていたアルバイト全員に希望者は正社員雇用するということになり、9月には無事に正社員になりました。
こんな感じで最初はまったく業界に入れるような実力などなかったのですが、あきらめの悪さと運で仕事に就くことができました。
ぜんすけ
学校の卒業は絵描き就活の終わりではなく、あきらめたときが終わりです!
就活(転職)ポイント2 100社に落ちるつもりで挑む!
転職1回目
リーマンショック後で転職にはまったく向かない時期だったのですが、1社目のパチスロの会社が開発室閉鎖で問答無用の転職活動突入です。
まったく新卒時だけでなく転職も買い手市場まっただ中とは氷河期世代はつらいよってなもんです。
このときは結構求人見ても3Dの仕事はあるけど2D絵の仕事がろくに見つからなかった記憶があります。
ちなみに当サイトの背景講座を書いていたのがこの転職の前のものが大部分ですね。
たしか2社目に内定が出る少し前に僕の1冊目の著作背景CGテクニックガイドの依頼があったのを記憶しています。
このときは学生時代とは違い同時に応募する認識はできていたのかと思いますが
たくさん応募するにもイーキャリアとかリクナビネクスト、マイナビ
などのような求人サイトにもそんなに求人が出ておらず、どうしたものかという状況でした。
ちなみにこのときは他にも色々な求人サイトを調べました。
仁王
RAKUJOB
と覚えているのはこのあたりですが、他にも調べていたと思います。
就活でメンタル病まない方法!
就活で不採用が続くと、自分は世の中から必要とされていない存在なのかと精神的にくるものがあると思います。
でもこれは最初から考え方を変えて挑むと途中で心が折れてしまう確率を下げることができます。
その方法が2つめのポイントになります。
5、6社受けたらどこか1社ぐらい受かるかなぐらいの気持ちで就職戦線に挑むとほんの少し不採用が続くだけでメンタルにきてしまいます。
100社落選を目指すなら30社ぐらい落ちてもまだまだ前半戦、もっとたくさん応募しないと100社に到達しないから頑張って応募しようとなるわけです。
100社も応募するの大変すぎ! 楽にする方法ないの?
100社に落選するにしても応募も一苦労です。
そもそもタイミングによっては求人サイトにそんなに求人出てないぞということもあります。
そんなときに使ったのが転職エージェントです。
求人といえば求人サイトが探す上で最初に考えやすいですが、じつはこういったサイトは企業側がお金を払って掲載しているのです。
企業側の立場になると人集めもただじゃないんですよ。わりと結構なお値段かかるのです。
以前勤めていた会社などでもマイナビなどに出していたと思いますし、逆に自分が転職する際にもまずこの手の求人サイトは最初に見ると思います。
しかし、求人サイトに出ている求人は、全ての求人からすればほんの一部なのです。
広告費をかけられないけど、いい応募者がきてくれたら全然ウェルカムな状況の企業はいくらでもあるわけです。
では転職エージェントはどういう仕組かというと求人サイトのように最初に広告料はかかりませんが採用確定時に料金が発生します。
これは採用時の年収の3割程度なのでエージェントとしても高い年収で採用してもらうと売上があがる仕組みになっています。
すなわち応募者と目的が重なるのでとっては心強い味方となってくれるでしょう。
しかも、求職者側はお金はかかりません。
ぜんすけ
まぁ、求職者側は無職だったりしますしお金とれませんよね……
転職エージェントを使うと登録されている企業を色々と紹介してくれて、こちらの企業に応募していいですかと聞かれるのでオッケーと返答するとガンガン応募してくれるわけです。
なのでガンガン落ちまくれるので100社落選を大いに加速してくれるのに役立ってくれます。
この1回目の転職のときに僕が使ったエージェントは3社ですね。
- ファミキャリ!(クリーク・アンド・リバー社)
- ワークポート
- 第二新卒エージェントneoネオキャリア
転職エージェントは1社だけでも構わないのだと思いますが、実際のところそれぞれの会社がどれほどの求人数を持っているかわからないので、ガチで応募数を増やしたいときは当時の僕のように複数活用するのもいいのかもしれません。
就活(転職)ポイント3 自己応募と転職エージェントを併用する
転職エージェントの使用が最善の就活なのか?
エージェントの使用は上記のように助かるものの企業にとっては直接自社のホームページを見て応募してくれるのが一番お金かからず懐に優しいはずなので、同一人物であれば少し有利になると思います。
求人サイトは広告を出しているだけあって、特に人が足りていない状況ではありますが、そのかわり応募するライバルの数も多い状況とも言えます。
ぜんすけ
ですので、自力でゲーム会社のサイトの求人ページを巡って応募するというのは、地味ですが取っておきの技なのです。
実際に、この転職1回目のときはこの地道な技を使い始めたあたりから面接に進む率が上がったと記憶しています。
しかし、その地道な方法も意外な盲点があります。
本当は人手が必要な職種が企業のリクルートページに載っていないこともあるのです!
実際に僕が転職エージェント経由で紹介された会社のサイトの求人ページにはUIデザイナーの募集は書いてありましたが2Dイラストのデザイナーの募集の記載はありませんでした。
(にもかかわらず、実際に入社して状況を確認すると2Dデザイナーが必要な状況でした)
なぜそうなるかについてはケースバイケースだと思いますが、日々刻々と変わる現場の状況と人事との連携かもしれませんし、サイトの更新が社内でフットワーク軽くできない環境だとかいろいろと事情が想定できます。
ですので、そのような本当は応募すればチャンスがあった会社でも、自力で企業の求人ページから応募するという方法の場合は選択肢から抜けてしまうのです。
このハイブリッド式が最良ではないと思います。
ガンダムに例えるなら自己応募のビームライフルで撃ちつつ、転職エージェントのファンネルでも攻めるといったイメージです。
実際に1回めの転職は求人サイトしか使っていなかった序盤はわりと苦戦しましたが、このポイントを実行した後は就職が決まった会社以外にも書類OKが出て面接に進める回数が増えました。
僕の転職1回目の応募社数のリストを公開!
ちなみに100社とか言うと適当に大きい数字を言っているようですが、この1回目の転職のときの応募した会社リストのエクセルを引っ張り出してきましたが、リアルに40社以上は送っています。
(社名の列は公開すると色々問題あるかと思うので、すみませんが非表示にしてます)
100社でなく50社目指せだと、このときの僕であれば後半戦は精神的に余裕がなくなってきたことでしょう。
このエクセルを作りだしたのがエージェントを使って大量に応募を開始してからなので、その前の求人サイトとかで応募していたぶんを加えるとさらに応募数は多かったのではないかと思われます。
そもそもこのエクセルを当時作りだしたのは100社送るぞと決めて今何社送ったかを記録しておくためだったかと。
ちなみに転職エージェントを使って応募したのは23社で、残りは自己応募ですね。
約40社応募、内定2社となると確率は5%なので、20連で内定でる確率ですがハマったときはお察しです。
就活(転職)ポイント4 転職エージェントさんの言われるがままでなく、自分の希望を相談する
転職2回目
昔は35歳ぐらいで年齢の線引きされている印象があったので当時34歳だったことや子供が生まれたこともあり転職することにしました。
このときはゲーム会社のサラリーマンとして働きつつ二冊目の著作であるデジタルイラストの「背景」描き方事典をコツコツと書き続けていたのですが、担当編集の方が療養のためお休みになったこともあり転職活動をする余裕がちょうど数ヶ月間生まれたタイミングでもありました。
これまた、そんなタイミングにメールでファミキャリ!の転職フェア(合同説明会)のメールが飛んできました。
有名なゲーム会社の説明会がまとめて聞けるので、様子見がてら出かけてみました。
このメールがなんで飛んできたかというと1回目の転職のときにエージェントでファミキャリ!のクリーク・アンド・リバー社を使っていたので、そのときにメールが登録されていて送られて来てたわけです。
そんなわけで、説明会後エージェントさんと面談し、転職エージェント経由で応募をしていったんですが、このときは無職ではなかったこともあり、最初からは一気に多数の会社に応募しませんでした。
早期決着が必要な就活は数の勝負ではありますが、会社に勤めながらの転職であればじっくりと進めることもできます。
前述したように一気に手間なく書類応募できるのがエージェントさんの利点ですが、相談すれば、こちらのペースで応募を絞ることもできます。
そんなわけで、最初は1社だけで進めて1回目の面接も通り、役員面接に進んだものの落ちてしまいました。
(バカ正直に二冊目の著作の執筆が再開するので、数ヶ月残業や休日出勤ができないタイミングがあることを話したりしたのが良くなかったかもですね)
で、さらにもう一社別の大手会社にお祈りされたところで、じゃあそろそろ一気に応募解禁にしますかということで、5、6社同時に出したところ3社から面接のお話が来ました。
1回目の転職のときと違い、ネイティブアプリなどのスマホゲームの台頭で2Dデザイナーの需要が増えたからか、ポートフォリオが4年間でパワーアップしたのか、このときは前回よりも書類通過率が上がりました。
このときは転職エージェント任せで自分個人では応募していなかったかと思います。
就活(転職)ポイント5 最初から課題の提出がある求人を後回しにする
そんななこんなで就活の歴史を振り返ってみましたが、そこで僕が学んだのは就活はガチャ(運)だということです。
もう少しまともな表現を使うならご縁などというべきでしょうか。
書類送るのは無料ガチャなので回しまくれ
ポートフォリオさえ良ければどこにでも就職できる、そう思うかもしれませんが実際にはそうではありません。運の要素がかなり入ります。
婚活という言葉は就活から派生してできた言葉と思いますが、この言葉は良くできていて、恋愛と就職って共通することがあるのです。
スペックの良し悪し以前にタイミングというのがありまして、恋愛でもすでにパートナーがいる人に告白してもダメなのと同じように、人員が足りている現場に応募しても落ちてしまうのです。
もちろんポートフォリオの違いは確率の違いになるので良いに越したことはないですが、絶対的なものではないのです。
5%のガチャで外れることもあれば1%のガチャでも出ることもありますよね。
とにかく、回しまくるのがゴールへの近道です。
補足
便宜上無料ガチャと言いましたが、郵送が必要な場合などお金はかかりますね。
ポートフォリオも印刷したりすると手間やコストがかかるので、PDFなどデジタルでOKな場合は助かりますね。
転職エージェントを使う場合は応募数を増やしても手間もお金もかからないのはありがたいポイント。
面接に進んだ場合は地方在住だったりすると結構な金額の有償ガチャになるかと思いますが、面接まで進めた場合は採用の確率も書類のときより高いので回す価値ありだと思います。
たくさん応募しまくることが難しい求人とは?
個人で応募するときに注意が必要なのはポートフォリオの提出とは別に課題の提出がある求人です。
昨今でもあるのかはわかりませんが、僕が最初に勤めていた会社でもポートフォリオとは別にポートフォリオの選考を通った人に課題の提出を求めてましたし、1回めの転職時には何社か課題を提出しました。
実際に最初に勤めていた会社に応募されてきたポートフォリオで、専門学校の授業で作成した模写絵は良かったんですが、こちらで用意したレイアウトの背景を描いてもらったら別人の作品のようにクオリティが下がったこともあり、本当の実力を見極めやすくはありました。
ぜんすけ
しかし、今考えるとそのためにお金にもならない絵を一枚(場合によっては数枚!?)描かせるのってどうよ。って思わないでもないです……
とはいえ正社員雇用すると簡単に解雇はできないし、企業側も慎重にもなるのもわからないでもないところ……
書類選考が通過し、課題を出している時点でポートフォリオの感触は良く、実力の最終確認ということなので頑張ってやる価値はあります。
しかしなかには最初から課題の提出が必要と書かれている会社もまれにありますが、課題はかなり時間を取られますので、応募の優先順位を下げるのがいいかと思います。
特に、その課題がポートフォリオに追加できるような課題内容ならまだいいですが、先方から渡された線画を着彩するようなものだとポートフォリオにも使用できないため、不採用になったときの時間的なロスがきついです。
新卒採用の場合は正確適正試験とかテストがあったり、そもそも最初に会社説明会に行かないとエントリーできないとか、様々な縛りも多かったりするので今回紹介したような、転職エージェントを活用した方法は新卒だと活かすの難しいかと思ったのですが、調べてみたら新卒用のエージェントもあるんですね。
これは僕も実際に使ったわけではないのですが、説明を見る限り仕組みは転職エージェントと同じようなので使えるかもしれないですね。
説明会や試験必須でない案件とかも抱えているかもしれないので、そうであれば一気に応募増やせる道が開けます。
ゲーム業界などの就活(転職)で心が折れないための5つのポイントまとめ
- 就活(転職)ポイント1
同時にできるだけたくさん応募せよ!! - 就活(転職)ポイント2
100社に落ちるつもりで挑む! - 就活(転職)ポイント3
自己応募とエージェントを併用する - 就活(転職)ポイント4
エージェントさんの言われるがままでなく、自分の希望を相談する - 就活(転職)ポイント5
最初から課題の提出がある求人を後回しにする
今回はとにもかくにも仕事に就くことに焦点をおいた内容なので、より良い職場を目指す場合は別のポイントとかもあるかもしれないですね。
機会があれば、また別の視点からも考察してみたいと思います。
ではでは、みなさん一緒に頑張りましょう!!(ガチで他人事ではない^^;)
ファミキャリ!(クリーク・アンド・リバー社)
過去転職2回とも利用させていただきました。勉強会や合同説明会などのイベントを開催しています。
ワークポート
担当いただいたエージェントのかたが、「本当に何で今2D絵の求人少ないんでしょうね」とこちらの状況に共感して応援してくれたのが当時のしんどい状況下で心救われました。
【第二新卒エージェントneo】ネオキャリア
1回めの転職時に利用しましたが、色々な会社にどしどし応募しまっくってくれて頼もしい印象でした。