時が経つのは速いもので個人事業主として開業したのも、もう3年前!
そんなこんなで僕もフリーランス絵描きになった2019年の末からもう3年経ちました。
※ 絵で飯を食うという意味では、それ以前に16年間ほどゲーム会社などを3社渡り歩いていました。
仕事がイヤでも安定供給される会社員時代と違ってフリーのイラストレーターとなると自分で仕事を受注するところから必要になってきたりします。
そして昨今はNFTやAIなど3年前とはまた違ったキーワードも見聞きするようになり、イラスト仕事は今後どうなっていくのか先の読めない時代となってきました。
そんなわけで正社員もフリーランスも両方やってきた経験もふまえて、今後もクリエイターとして生き残っていくために必要なことを考えていきたいと思います!
フリーランスとしては僕もまだまだ日が浅いほうなので、これからクリエイターとしてやっていこうと考えている人にも近い視点で考えられるんじゃないかなと思います。
ジャンプできる目次
生き残るクリエイターに必要な3つの考え
- 変化に対応する力
- 安売りをしない
- ランニングコスト(生活費など)の最適化
ざっと、こんなもんかなと、生き残りのために必要なことをリストアップしてみましたがいかがなもんでしょう?
悪いけどなんか、わりとありきたりな記事内容になりそうだな……と思いましたか?
ですよね、僕もそう思いましたw
なので、今回はそうならないように少し深堀りすることで有益な内容をお届けできればなと思います。
そもそもこういったどっかで聞いたことあるような考え方とかって間違ってないし、ある一面だけみたらそうなんだけど、よく考えたらまったく逆のケースだってあるよなと思うわけですよ。
そうなるとこういったシンプルなアドバイスを真に受けて逆に迷走させてしまうことだってあると思うのです。
クリエイターに必要な『変化に対応する力』とは!?
「変化には対応していかなくては生き残れない」
そんな言葉はすでにどこかで耳にしたこともあるんじゃないでしょうか?
なので
「そんなことはわざわざ言われなくてもわかっているよ!」
という人も多いんじゃないでしょうか。
実際に何か新しいサービスや技術ができると最近は皆が一気に始めますよね。
ぜんすけ
そんな変化に対応する気は満々な意欲的な方々に
『変化に対応する力が重要』
などという記事を書いても釈迦に説法というもの
あらゆるメディアやSNSなんかを見ていても、新しい技術やトレンドにはドンドン乗っていくべし! という雰囲気があったりしますよね。
いわゆる「乗るしかない このビッグウェーブに」ってやつです。
しかし、最近の動向を見ていると意外と『ダマし』とでもいいますか、すぐに終息したり、素早く参入してもそんなに皆が得しないということも多々あるなと感じます。
新しい変化の兆しを見送る勇気
「変化には対応していかなくては生き残れない」
なんて言われると、ついつい何か新しいものが出てきたら食いついておかないと時代に取り残されるのかなと思ってしまったりしませんか?
意外と後発でも問題ないし、無理にあせって動かなくてもいいんじゃないかと最近感じています。
飛んできたボールは全部振らなくても、ボール玉なら見逃してOK
鳴ける牌が場に出ても全部鳴く必要はなく、スルーしてOK
スポーツや遊戯でもいつだってなんでもかんでも動けばいいってもんでもないですよね。
そんな選球眼的な考え方を新しい技術やテーマについても当てはめてみてはいかがでしょう。という話をしていきたいと思います。
新しいSNSを静観する
Clubhouseという音声のSNSが2021年に瞬間的にブームになりましたよね。
次のSNSの波に乗り遅れるなとばかりに数週間の間にスゴイ広がりかたをしたけど傍観していたら僕が触れるより前に、あっという間にブームは収束してしまいました。
SNSも最初の全員が横一列でよーいドンで始めるなら早いほうが優位ってのはわかるんですが、僕らがそこまで早期参入するメリットってあるのかは疑問に思います。
始めるタイミングよりも継続と内容
Twitterなどでも後発の人がいくらでも活躍している例は目にしてきているんじゃないでしょうか。
SNSにかぎらずどんなものでも成果がでるには時間がかかるものなので、始めたタイミングよりも『継続してどれだけ力を入れて求められているものを提供できたか』のほうが重要になってくるかなと思います。
YouTubeもサービス開始と同時に始めた人だけが人気なわけでもない
SNSとは少し違うかもしれませんがYouTubeなんかも先行者優位で言及される代表ですよね。
YouTubeを初期から知らない若い方はそういった先行者優位説を真に受けてしまうかもしれませんが、普通にYouTubeに広告というものがない頃からYouTubeを知っていれば先行者優位説に疑問を感じます。(優位性があることは認めますが)
“YouTubeというサービスの誕生した年”から考えたら、昨今大人気のYouTuberも大半がサービス開始から何年も経ってから始めた超後発と言えるわけですし、サービスの登場と同時に食いつく必要性なんてさほど重要じゃないではと思わずにはいられません。
なので、サービス開始と同時によーいドンで始めなくても、しばらく静観して本当に良さそうで自分も長く続けられそうだなと思ったら始めるぐらいの感じでいいんじゃないでしょうか。
新マーケットを静観する
NFTについては2021年の10月あたりが、さいとうなおき先生のイラストが一枚で600万になるなど盛り上がっていた時期だと思います。
≫イラストレーター さいとうなおきのNFTアート作品が約600万円で落札
2021年に43万だったイーサはこの記事を書いている2022年12月には16万円となっていますし取引量も減っているようです。
イーサの価格はこれから戻る可能性もあると思いますし、なんならすでに円に換金済みかもしれません。
しかし、当時ブームで始めた人全員が換金できたかもわかりませんし、そもそもブームに乗れて稼げたのも一部の実力者や上手く立ち回れた人だけだった可能性もあります。
本当の時代の変化なら1年や2年遅れても問題はない
そう考えると、何もブームのときに飛びつく必要はなかったんではないかと思うんですよね。
NFT自体が本当に良いなと思ったらこれから始めたっていいわけですし。
アーリーアダプターとしてなるべく早くから参入することで優位に立とうというのは誰しも考えるところかとは思いますが、正直なところ恩恵を得られるのはごく一部だったのではないかなと感じました。
もちろんこういった新しい流れに飛び乗れる行動力がありフットワーク軽く参入できている人のことを僕はリスペクトしていますし、いずれかのタイミングで成功を収めると思います。
しかし。すべてのクリエイターにとって、こうしたあらたな潮流にすぐに乗ることは必ずしも生き残るために必要なことでもないかなと思います。
NFTは本当にクリエイターのためのものになり得るのか、期待しつつも静観
≫“トレパク疑惑”古塔つみ NFT販売でしれっと復帰していた…最大350万円の作品も
このようなニュース記事もそうですがNFTはどうにもネガティブイメージがまだ払拭しきれてない感がありますよね。
デジタルイラストに価値を与えるうるNFTというものには個人的には期待しているんで、いずれ印象が改善されて本当にすべてのクリエイターのためになるものになる日が来ること願いつつ、静観させていただいています。
▼ちなみにNFTを始められる場合は海外からの攻撃にも備えていたほうがいいようなんで以下の記事も要チェックです。
≫イラストレーター必見! 仕事依頼の添付データを開いただけでアカウント乗っ取られる『標的型攻撃』から身を守る方法とは!?
新技術を静観する
AIイラストのような新技術が2022年はもり上がってきましたね。
AIについてはこれからって感じですが、僕自身も多少触ってみたり他の人の動向をみていますが特別にあせって手を出さないといけないわけでもなさそうです。
Midjourney(ミッドジャーニー)の登場によって一気に盛り上がりその後も他にも色々なイラストAIが世間を賑わせているようですが、日々進化している最中といった感じでして、Midjourneyが登場した2022年の8月からAIをガッツリ触る利点はそれほど重要ではなかったかなと思います。
2022年8月のMidjourneyが登場したころAIについては面白そうでしたし気軽にやれたので僕自身も軽く触ってはみました。
将来的にどうなっていくのか時代の変化に高揚しましたが、イラスト仕事に使えるかというところでは過渡期かなと思ったので僕はそこまで深入りしていないというのが現状です。
情報発信者としてなら先行の価値あり。作り手としては様子を見てからでもOK
とはいえ、この波にのってAIに関する情報発信をした人はAIによるイラスト生成の早さと注目度の相乗効果によって一気にフォロワーを増やしたというのは確かです。
なので、イラストレーターの技術的な意味合いとしては別にこういった最新の流れにあせって最初から飛びつく意味はさほどないですが、情報発信者やインフルエンサーとしてなら飛びつく価値があったかも、といったあんばいではないでしょうか。
そんなわけで、クリエイターとして生き残るためというのであれば、あせらず様子をみてからでもいいんじゃないかなっていうのが個人的な考えです。
AIのような新技術の動向は企業すらも翻弄されている
CLIP STUDIO PAINTへ画像生成AI機能を搭載予定の発表の後
以下のツイートにあるようにすぐに提供中止のお知らせが入りました。
ことの是非については僕がとやかく言うようなことではありませんが、きっとかなりクレームがきたんでしょうね……。
このように企業ですらいち早くこのビッグウェーブに乗るべく行動して翻弄されているぐらいですから僕ら個人は推して知るべしです。
ArtStationのような海外のイラストサイトでは「NO AI」の動きもあるようで今後どうなっていくのかまったく読めない状況ですね。
ぜんすけ
とはいえ、インフルエンサー的な発信力の強さは結果としてイラストレーターとしての生き残り力と無関係ではないので、ときには最新の何かに飛び込んでみてもいいのかもしれないですね
僕はこうしてブログで情報発信しているわりにNFTもAIも記事を書かずにスルーしてマイペースに記事更新しすぎているところあるんで、僕の場合もう少し最新技術とかがちゃんと話題になっているタイミングで記事を書いたほうがいいのかもです……。
では対応するべき変化ってなに?
そんなわけでここまでそんなにあせらずスルーしてもいいんじゃないって話をしてきましたが、そもそもクリエイターが今後も生き残っていくための『変化に対応する力』って何よって話に戻そうと思います。
テクニックや絵柄とかの変化には積極的に対応してもいいかも?
世間的な流行りとかブームについてはこれまで解説したようにわりとスルーして、必要なら後発でいいかなと思いますが、絵柄とか手法の変化にはわりとすぐに対応してもいいのかなとは思います。
そもそも、『このプロジェクトではこんな感じの絵柄でお願いします』という依頼があるわけなんで、そういったものに柔軟に対応できることはクリエイターとしての強みにもなります。
なにより、絵柄や技法とか技術的なことは試しに取り入れても、自分の絵に合わなければ自然とオミットされていきます。
なので、簡単に導入できることならやってみてもいいんじゃないかと思うわけです。
ぜんすけ
このあたりも作家性の強いクリエイターかどうかで人によって異なるところもあるんで一概にはいえないところですが……
一人の作家でも受ける仕事によって変化を求められることも変わらないことを求められることも。
変化に対応できる技量を得つつも自分の受けたい仕事の方向性と要相談といった感じでしょうか。
変化の必要性も人によって違う
「背景の場合はキャラに比べると流行り廃りの変化が少ないからいいっすよねー」と原画家さんたちからうらやましがられたことがあります。
背景にもある程度は流行りの絵柄みたいのもあると思いますが、たしかにキャラは背景以上に変化が激しいと思いますので、より変化への対応が必要になるのかもしれません。
結局のところ、人によって作っている手役が違うから動いたほうがいいケースもあればそうでない場合もある。
自分にとって必要な変化を見極めて押し引きすればいい。
ってことですね。
ふわッとした結論なんですが、なにかまた世間で新しいことが騒がれてたとしても自分が食いつく必要があるかないか慌てずに検討できる心の余裕のきっかけになれば幸いです。
まとめ
新しい変化にはどんどん対応していかないと、スマホが使えないでガラケーで粘る老人のように思われてしまうのではないだろうか……
誰だってそういった印象を周囲から持たれたくないですよね。(僕もです)
そのため老害などと思われたくない情報発信者は新技術や新サービスに肯定的になりがち。
そんなアクセルばかりの情報があふれる世の中でたまにはブレーキをかけて減速するような情報の発信者がいてもいいのかなと今回はこんな記事を書いてみました。
これからの時代も生き残るクリエイターに必要なことは『変化に対応する力』ということで流行りの絵柄やテクニックは取り入れていいのではという話をしてきました。
【逆に今やらなくてもいいこと】として
新技術や新SNSを逆に見送る勇気について解説してきました。
具体的に今やらなくていいことは人によって違う。
人によっては今回紹介したものを素早くやりはじめることが正解だった人もいる。
なんにでも新しい技術やサービスに食いつこうと思うと身体がいくつあってもたりません。
新しい何かに行動したほうがいいのかなと思いつつ、実際には行動できていない。
そんな思いと行動が一貫していない状況だと焦燥感などであまりメンタルによくないですよね。
だから新しいことは
『把握だけはしたうえで、自分にとっては今じゃないなと思ったらスルーする』
と決めておくことで精神的にも楽になり目の前のやるべきことに注力できるんではないでしょうか!
ぜんすけ
鳴ける牌に全部食いついていたら裸単騎になっちゃいますし、本当に自分の手役に必要なときだけ動けばヨシ!
ではまた!
……と、しれっと終わろうとしてるけど
最初に書いていた生き残る考え方、ひとつめの『変化に対応する力』についてしか語ってないやないか! と鋭い人はお気づきかもしれません。
- 変化に対応する力(逆に見送る勇気)
- 安売りをしない
- ランニングコスト(生活費など)の最適化
少々記事が長くなってきてしまったので残りは後半として後日別記事として作成しようかなと考えていますのでまたの機会に!
▲続きを書きました!
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