拙著背景CGテクニックガイドでもpp.10-11で「道具について」という項目でソフトとタブレットの解説をしましたが、それを読んでもPhotoshopは色々種類があって、どれを買っていいのかよくわからないという質問のメールをいただきました。
ソフトなどについてはよく質問されることですので、より初心者向けに解説しようと思います。
対象は今まで絵を描いたことがなく、これから道具を集めて一から始めるという状況の方になります。
なおこの記事で薦めている内容は僕の個人的な意見ですので、かならずしもすべての人に最適な物であることを保証するものではありません。
これによって生じた損害などについては責任は負いかねますのでそれはご了承ください。
どのペイントソフトにするべきか
どのペイントソフトを使うべきかは
趣味で描くのか仕事にするか、これによって違いがあります。
また、仕事にする場合でも職種によって違いもあります。
・仕事で描く場合について
就職希望する企業サイトのリクルートページを確認すると良いでしょう。
そこで2DCGの募集要項に求められるソフト名が明記されていると思います。
おそらく2DCGの場合はPhotoshop必須と書かれていることが多いのでは
ないかと思いますが、会社によっては違う場合もあると思いますし
職種による違いもわかりますので実際に調べてみるといいと思います。
・趣味や同人で描く場合について
どのソフトを使用しても構いません。
よく名前を目にするペイントソフトはこのあたりではないしょうか。
当サイトCG背景講座 BLANK COIN ではPhotoshopを使用して解説しており、出雲寺ぜんすけのブラシプリセットなどPhotoshopのカスタムブラシを利用して解説することもありますので、当サイトの講座内容を実践する場合にはPhotoshopを使用していると比較的やりやすいかと思われます。
価格的にはCLIP STUDIO PAINT PROやペイントツールSAIが安いので手を出しやすいのではないかと思います。
Photoshopについて
それでは元々の質問にあったPhotoshopの種類について解説します。
昔から使っている人間からすると特に複雑な種類なんてない気もしてしまいますが、初めて目にする初心者の方にはよくわからないというのもわかる気がしますので、基本的なことから解説していきます。
PhotoshopCS6
まず、名前の後ろに付いている6という数字はバージョンの数です。
2012年5月現在の最新はPhotoshopCS6です。
少しややこしいことにPhotoshop 1.0からPhotoshop 7.0と順番にバージョンが続いた後に、Photoshop CSという形で【CS】という文字がついて、また1から始まっていまのPhotoshopCS6に至っています。
ソフトのバージョンは新しい方が機能が改善されているのでこれから買う人は最新のを選べば問題ありません。
バージョンの数字以外だと下記のようにElementsやらExtendedやらの文字が書いてあったりします。
これの違いは機能の制限と価格です。
- Adobe Photoshop Elements 10 /低機能/ 約1万円
- Adobe Photoshop CS6 /普通/ 約8万円
- Adobe Photoshop CS6 Extended/高機能/ 約12万円
機能の制限の違いですので高機能に越したことはないですが
その機能を使わないなら普通のでも問題ありません。
こちらで必要な機能であるか確認できます。
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学生・教職員個人版 Adobe Photoshop CS6 Extended
学生の場合は3万4千程でExtendedが買えるので超お得です。
一番いいのが安く買えてしまうので学生の場合は金額や機能の差を考える必要ないです。
卒業後も問題なく使えますので、学生のうちに買っておくといいでしょう。
社会人はExtendedの機能が4万余分に払ってまで必要かどうか考えなくてはならないかと思いきや、社会人でも学割で買える方法があります。
実質的にPhotoshopCS6Extendedの値段は3万5千円ということになります。
それならいっそ最初から定価3万5千円にしてくれればいいと思うのですが、そうもいかない大人の事情があるのでしょう……。
——————Photoshopについてまとめ——————
- 学生は普通に最新バージョンの学生・教職員個人版を買うといいでしょう。
- 社会人はたのまな アドビソフトウェア通信などオンラインスクールで学生版を買うといいでしょう。
- 3万5千円でも高くて払えない場合はAdobe Photoshop Elementsを使うか
Photoshop以外のソフトCLIP STUDIO PAINT PROなどにする。
ペンタブレットについて
Photoshop Elementsはペンタブ付属で買うと安い
ペンタブレットは安いもので6000円ぐらいでシンプルタブレット Bamboo Pen
があります。
これにPhotoshopElementsなどのソフトがついているフォトショップエレメンツ&ペインターエッセンシャル付属 Bamboo Funという9千円ぐらいのものがあります。
単体で1万2千円するAdobe Photoshop Elementsが、タブレットとセットだと3千円多く払うだけで買えるわけでお得です。
Bamboo Pen CTL-470/K0
フォトショップエレメンツ&ペインターエッセンシャル付属 Bamboo Fun
もちろん、前述の学生版PhotoshopCS6Extendedを買っているならわざわざElementsをつける必要はありません。
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Bambooよりも高い物になりますとIntuosやCintiqがあります。
今回の記事は初心者が道具を揃えるという状況へのアドバイスですが
液晶ペンタブレット Cintiqに関しては極めて金額が高く、まったくの初心者が手を出すものではなくすでにアナログで絵を描くことでお金を稼いでいるとかそういった場合には選択肢に上がるかもしれませんが、今回は道具をそろえてこれから初めて絵を描く場合ですのでCintiqはとりあえず、考慮から外しておきます。
液晶ペンタブレット Cintiq24HD DTK-2400/K0
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BambooかIntuosどちらがいいか、SサイズかMサイズどちらがいいか
といったことは背景CGテクニックガイド
でも書いたとおりです。
人によって意見は異なると思いますが、僕の使った感じだと大差ないから好きなの買うといいよって感じです。
最初はBambooで、稼げるようになったらIntuosといった感じです。
長いストロークで描くことがあるなら大きいサイズを選ぶことになると思いますが、僕が描いているような絵だとあまりそういう機会はないので机の大きさで置けるサイズにすればいいのではという感じです。
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色々あるとどれがいいか悩んでしまうかもしれませんが、ペンタブもPhotoshopもどちらも複数種類があるのはマーケティングで、松竹梅って3つの価格帯を作ると竹を買いやすいっていやつでしょう。
ただのマーケティングですから、思っているほど差はないので気軽に選びましょう。
そもそも悩むということ自体、失敗したくない損したくないということですからハイリスクを取らずに、一番安い物にすればいいのです。
フォトショップエレメンツ&ペインターエッセンシャル付属 Bamboo
一切いままで絵を描いたことがない人がこれから始めるということでしたらソフトもペンタブも1万円以下でとりあえず、揃えられるこれがベストです。
3千円程度の差額でAdobe Photoshop Elements9
やCorel Painter Essentials4
も付属しているバージョンですからとりあえず、色々と他のソフトを触ってみてから、どれを使っていくか考えたいという場合には最適です。
最悪このペンタブが気に入らなくて買い換えたとしてもPhotoshopElementsを定価で買ったと思えば、ペンタブ自体では1円も損していないのです。
Adobe Photoshop Elements 10
が1万2千円なので
むしろ安く買えて3千円くらい儲けたと思ってもいいぐらいです。
初心者の時ほど上級者が使っているのと同じ道具を使わないと、上級者と同じように描けないと思いがちですが、道具は初心者にとってあまり重要ではありません。
一番安い組み合わせであれば1万円の出費です。
これを買った後により上位の物に買い換えても大した痛手ではありません。
一番残念なのは数十万円する一番高い組み合わせ買ったけど絵を描くことが続けられなくて、ほとんど使わずに終わるパターンです。
安い組み合わせから買い換えていくということは絵を描くことが継続している証拠ですから、2重に買ってしまって損とか考えずに継続してよかったと考えれば良いのです。
——————ペンタブレットについてまとめ——————
- 学生版PhotoshopCS6Extendedを持っているもしくは買う決断をしているなら
Bamboo Pen CTL-470/K0<を買う
- Photoshopを買うか悩んでいる、他のソフトにするかもしれない場合は
フォトショップエレメンツ&ペインターエッセンシャル付属 Bamboo Fun CTH-470/K1を買う。
- プロになってペンタブが仕事道具になった場合や
お金に余裕があって日本経済を回したい場合は
Wacom プロフェッショナルペンタブレット Mサイズ Intuos5 PTK-650/K0
などを買う。
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道具にお金をかけるのは絵でお金を稼ぐことができるようになってからでも遅くはないのではないかと思います。
むしろ高いのにするか安いのにするかで悩んでいて、描き始めずにいる日々のほうがもったいないのではないかと思います。
まったくの初心者である、あなたに必要なのは
- フォトショップエレメンツ&ペインターエッセンシャル付属 Bamboo ¥ 9,272
- 背景CGテクニックガイド ¥ 2,415
- 一刻も早く描き始め、そして描き続けることができる行動力と継続力 ¥priceless
合計¥11687
これらがあればすぐに描き始めることができます。
ということで良い具合に自著の宣伝乙な感じになったところで今回の
解説をしめさせていただきたいと思います。