HUION社から『Kamvas pro 16(2.5K)「豪華版」』のご提供いただきました!
今回の『Kamvas pro 16(2.5K)』は液タブと呼ばれるものになります。
液タブもさまざまなメーカーから色々な商品が発売されていますので、はじめて液タブの購入を検討しているときには悩んでしまいますよね。
そんなわけで、どんな人に今回の『Kamvas pro 16(2.5K)』が向いているかなどレビューしていこうと思います。
それでは早速どんなものか見ていきましょう! ……といいたいところですが、検索でこの記事にたどり着いた方にとってはお前は何者だという状態だと思いますのでちょっとだけ自己紹介をさせていただきます。
僕はゲーム会社などに16年勤めその後フリーでも日々絵を描いたりする仕事をしています。
以前は板タブを使っていましたが2016年に購入したHUIONのGT-190という液晶タブレットで液タブを使い始めました。
また、ゲーム会社に勤めていたときはWacomの液タブを使っていた経験もありますし、他のメーカーの液タブも使ってきました。
ちなみに僕は普段はこのような絵を描いています。
このような背景イラストを描いたり、デジタルイラストの「背景」描き方事典など背景描き方の技法書の執筆などしています。
現役で絵の仕事をしている出雲寺ぜんすけが執筆しています。
Key作品『終のステラ』に背景イラストで参加。キネティックノベルのロボット三部作の楽曲をレトロテイストアレンジしたアルバム『JUKEMATA』ジャケットイラストの“背景”を担当
終のステラ
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こちら以外にも実績非公開の仕事で、スマホゲームの背景などを今も毎日で描いて仕事しています。
ジャンプできる目次
Kamvas pro 16(2.5K)の特徴
とりあえず最初にざっくりとスペックなどを紹介しておきます。
初めて液タブの購入を考えている場合はなんのこっちゃかと思いますが、ある程度慣れてくるとこのスペックをみるとある程度機種の実力がわかるようになってきます。
重量 | 1.28Kg | 本体 |
作業領域 | 15.8インチのIPSスクリーン 349.63 x 196.67mm | 液晶 |
解像度 | 2560×1440(2.5K) | 液晶 |
色域 | sRGB 145% | 液晶 |
傾き検知機能 | ±60° | ペン |
筆圧レベル | 8192段階 | ペン |
そしてこの機種を紹介するにあたって一つ注意事項があります。
それはKamvas pro 16(2.5K)の『(2.5K)』があるかないかで別の機種であるということです。
Kamvas pro 16という何もついていないほうは別バージョンで(2.5K)とはいう解像度以外のところも性能が結構違います。
今回紹介するのはKamvas pro 16(2.5K)のほうになりますのでお間違いなきようよろしくお願い致します。
Kamvas pro 16(2.5K)を一言でいいますと
『ハイスペックでありながらお値段は中程度というコスパに優れた液タブ』です。
正直な話、今回使ってみてKamvas pro 16(2.5K)が今後の液タブの定番機種となるのではと思いました!
Kamvas pro 16(2.5K)を開封レビュー
まずはどんな商品なのかKamvas pro 16(2.5K)をさっそく開封してみようと思います!
Kamvas pro 16(2.5K)の箱画像
- Kamvas Pro 16(2.5K)本体
- 折りたたみ式スタンド
- デジタルペン:PW517
- ペンホルダー
- 替芯×5
- フェルト芯×5
- 替え芯抽出器
- 3-in-2 ケーブル
- USB-C to USB-C ケーブル
- USB 延長ケーブル
- USB 電源ケーブル
- USB 電源アダプタ
- グローブ
- クリーニングクロス
- クイックスタートガイド
- ウィッシュリストポスター
- クリアファイル
- 限定しおり
と、こんな感じになってます。
箱もしっかりしていて、引き出しやすいようにバンドがついていて細やかな心遣いがされています。
こちらは豪華版のほうなので、外箱だけでなく中のケーブル類をしまっている箱も桜色のデザインになっています。
豪華版特典としてクリアファイルなどパッケージデザインのグッズも同梱されています。
空の色合いも美しいこのイラストですが、鳥居の先にある大きな桜が満開になっているさまは、このKamvas pro 16(2.5K)を手にいれて、絵描きの神域へと進んだクリエイターが将来大きく花開くことを暗示しているかのような素敵なイラストですね。
ぜんすけ
僕もこんなふうにこれからイラストに挑戦する人を応援するような素敵なイラストが描けるようにさらに精進していきたいと思います!
Kamvas pro 16(2.5K)の液晶モニター
Kamvas pro 16(2.5K)の液晶サイズ
Kamvas pro 16(2.5K)の液晶サイズは15.8インチということでA4クリアファイルをのせてみるとサイズ感はこのような感じです。
約12インチのSurface Pro 7よりも今回紹介しているKamvas pro 16(2.5K)は一回り大きいサイズ感になっています。
Kamvas pro 16(2.5K)の解像度は2560×1440(2.5K)
Kamvas pro 16(2.5K)の解像度は2560×1440(2.5K)。
というわけで1920 x 1080 のフルHDよりも高解像度です。
小さい液タブなら解像度低くてもいいのですが、大きいサイズになるほど高解像度の恩恵が得られますよね。
たとえば、せっかく20インチ越えの大きいサイズの液タブでも解像度が低いと大きさを活かしきれずにもったいない気がします。
かといって、15.8インチぐらいだと液晶のサイズじたいは大きすぎも狭すぎもしないので、おそらく4Kだと用途によっては持て余しそうにも思います。
ペイントソフトのUI周りも15.8インチで2.5Kなら特に表示倍率をいじらずとも文字も読める程度でありながらコンパクトにパレットが収まってくれるので作業に使えるスペースが広くて使いやすいです。
液タブをすでに使ったことある人でも今まで1台しか使ったことないと、この解像度の違いの利点を認識できていないかもしれないですが同じ液晶サイズでも解像度がマッチしているかどうかで使い勝手にわりと差が出てきます。
僕は職場やレビュー記事などで様々なサイズと解像度の液タブを使ってきたので、自分で選ぶ際にもこの解像度については確実にチェックする重要項目です。
それこそ作っているメーカー側は一番そのことをわかっているので商品名という一番目立つところにに(2.5K)とそのスペックを入れていることからもわかるんではないでしょうか。
そんなわけでKamvas pro 16(2.5K)は15.8インチという液晶サイズにも最適な高解像度の製品なのではないかと思います。
ワコムの液タブ製品との比較だとこんな感じです。
Wacom Cintiq 16 | 1920 x 1080(2K) | 99,880円 |
Wacom Cintiq Pro 16 | 3840 x 2160(4K) | 217,800円 |
Kamvas pro 16(2.5K) | 2560×1440 (2.5K) | 83,999円 |
Wacom Cintiq 16よりも安い価格でありながらKamvas pro 16(2.5K)は解像度が(2.5K)なのでコスパがいいですね。
Kamvas pro 16(2.5K)の視野角は 178度
この視野角という数値は真正面で見たのと同じように見える角度なので、数字が大きく180度に近いほうが良いです。
Kamvas pro 16の視野角は178度と、これはかなり広いですね。
ワコムのでも製品によっては160度とかそれよりも低い製品もあるので、Kamvas pro 16(2.5K)の視野角はかなり高い視野角だと思います。
Kamvas pro 16(2.5K)はフルラミネーション技術を採用
フルラミネーションという液晶にペンを置いたところにずれがなくなる技術を使っているので視差が少ないです。
視差というペンとポインタの物理的なズレが気になる人もこのフルラミネーションだと視差が少ないので安心ですね。
昨今のちゃんとした液タブだとわりとこのフルラミネーションを採用していますが、Kamvas pro 16(2.5K)でもしっかり抜かりはないです。
Kamvas pro 16(2.5K)の色域は sRGB145%
この色域というのは
- sRGB
- NTSC
- Adobe RGB
と三種類ほどよく見かけるものがあります。
https://www.eizo.co.jp/eizolibrary/other/itmedia02_01/
他二つはだいたい同じですがsRGBは少しカバーしている範囲が狭いようでsRGBカバー率 100%でもNTSC やAdobe RGBでは72%ほどとのこと。
- ワコムのCintiq Pro 13 Adobe RGBカバー率 約87%
- ワコムのCintiq 16 NTSC カバー率(CIE1931) 72%(標準値)
ワコムも製品によって結構違っていて中にはAdobe RGBカバー率 約99%みたいなハイエンドモデルもあります。
ちなみにSurface Pro 7のAdobe RGBカバー率も72%程度ということで、わりとこのぐらいが標準的な数字のようですね。
なのでsRGBだと100%ぐらいが普通。
Kamvas pro 16(2.5K)の色域は sRGB145%ということでかなり広い色域ということになります。
▲この参照元のブログの目安のとおりであればAdobeRGB 100%はsRGB 138%ってことなので、Kamvas pro 16はAdobeRGB 100%超えているレベルのようです。
ぜんすけ
この色域はかなりのスペックですね!
実際にSurface Pro 7で開いていた画像をKamvas pro 16(2.5K)側に持っていくと鮮やかに表示されているのがわかりました。
液晶によって見え方は結構変わってくるので絵描きにとっては重要な要素ですね。
液晶の色の調整、設定方法【OSD設定】
液晶モニターや液タブは画面の色調整用にたいがいボタンがあると思いますが、このKamvas pro 16(2.5K)は一味違います。
あの物理ボタンをカチカチしながら調整する時代はいつの間にやら過去のものになっていたようです!
ペンを使って調整したりタブを切り替えたりと非常に扱いやすく進化していました。
OSD設定は電源ボタンの長押しで開く
このOSD設定というので色域の設定を変えることができます。電源ボタンの長押しで表示できるので一度は表示させてどんなことができるのか触っておくことをおすすめします。
sRGBおよびAdobe RGBに変えることができるのでAdobeRGB 99%での見え方も確認できます。
公式の設定の解説ページ
ペンを使ったOSD設定
Kamvas pro 16(2.5K)の光反射具合
画面部分は反射を拡散させるようになっています。
具体的にはこんな感じです。あたりまえですがライトがあれば明るくなります。
しかし、グレアだとライトの形状がわかるぐらい明瞭に反射してしまうのに比べるとボケた感じになるので、気になり具合は低下します。
▲この写真でも左側にエクスプレスキーの付近は天井のライトがハッキリと反射していますが、液晶部分のほうは拡散されているのがわかります。
ぜんすけ
黒い画面になっても自分の顏とかがハッキリと反射されないのでいいですね。
Kamvas pro 16(2.5K)のペン仕様【デジタルペン:PW517】
ひと昔前のWacom以外のメーカーの液タブに対する不満でよく上がっていたのが、ペンの沈み込みなどペンに関する内容が多かったと思います。
僕はその頃の液タブも使っていたことがあるので、そのあたり実際どうなのかを使ってみてレビューしていきます。
電池不要
HUIONのGT-190は電池式でしたが、Kamvas pro 16(2.5K)は電池不要です。
電磁誘導方式という電池もバッテリーもいらない方式です。
もともと液タブにかぎらず板タブでも電池のいらないWacomのペンに慣れきっていたユーザーからしたら、「なぜ電池が必要なの?」と以前のペンには不満に感じていた点でしたよね。
Kamvas pro 16(2.5K)ではしっかりと電池不要に対応してくれていて抜かりはないですね。
ペン先の沈み込みなし。
GT-190の2016年頃の機種だとペン先が沈みこみがあったのが気になる人も多かったんじゃないかと思います。
これもKamvas pro 16(2.5K)では改善されてペン先の沈み込みはまったく感じなくなっています。
傾き検知と筆圧レベル
傾き検知機能は±60°まで対応、8192段階の筆圧レベル。
昨今のペンのスペックでは基本的にこの数値が業界標準ですね。
逆にこれ以上の数字を見ることもありませんし、とりあえずペンのスペックとしてはこの数字が書かれていればOKという感じです。
付属のペン先種類
ペン先の芯は「通常芯」「フェルト芯」2種類に対応。
ペン先も「通常芯」「フェルト芯」ということでしっかり「フェルト芯」も入れてくれているのはグッドです。
通常芯でも問題はないのですが、ペンの滑りなどの違いもあるので結構「フェルト芯」の愛用者も多いですよね。
僕も会社勤めのときなどに原画家さんから「フェルト芯あまってたらちょうだいー」と言われたりしたものです。
こうしてデフォルトで入っているとペンタブ初心者の人でも試しにフェルト芯使えていいですよね。
ペンのレビューまとめ
旧製品のGT-190は当時高級品すぎた液タブの敷居を下げてくれるコスパのいい製品でしたが、気になる点があったのも確かです。
Kamvas pro 16(2.5K)はペン先沈み込みや電池が必要だった過去のモデルに比べて格段に進化していることがわかりました!
Kamvas pro 16(2.5K)付属のこのデジタルペンPW517はかなり完成度の高いペンに仕上がっています!
Wacomの液タブも仕事で使っていたことがありますが遜色ないですね。
Kamvas pro 16(2.5K)のエクスプレスキー
ショットカットキー8個搭載。
個人的にはエクスプレスキーはあまり使わないタイプなのですが、少し触ってみたかんじでは比較的押しやすいボタンですね。
僕自身はエクスプレスキー使わずに片手デバイスのTourBox Eliteを使っているのでそもそもなくてもいいぐらいではあるのですが、サイズや押した感じの感覚は悪くなさそうですね。
Kamvas pro 16(2.5K)を使う準備_電源と接続
準備については購入後になると思うので、▼以下に畳んでおきますので購入後に実際に使うときに必要に応じて『+』を押して開いてご確認くださいませ。
ドライバのダウンロード
https://www.huion.com/jp/download/
機種やOSなどを選んで送信を押すと表示されるので、最新のバージョンのダウンロードをクリック。
ドライバをインストールするときはグラフィックソフトを閉じるように指示が入るのでCLIP STUDIO PAINTなど起動していないか確認しておきます。
接続時の注意!
USB-CでPCと繋げる場合はひとつだけ注意してください。
ディスプレイ設定
PCと液タブが同じ画面が表示されてしまっている場合はディスプレイ設定から表示画面を拡張するに変更するといいですよ。
これによってPC側で資料画像を表示しつつ液タブで作業することができるようになります。
これをやっておかないと液タブ側がPCの画面サイズで表示されてしまうので、本来の作業画面サイズになりません。
僕も最初繋げたときに思ったよりベゼルが広いのかと勘違いしそうになりましたが、単純にSurface Proの作業画面が複製されているせいでした。
表示画面を拡張するを選択すると普通に使えます
キャリブレーションをしよう
キャリブレーションをしないとペンとポインタの位置がずれたままなのでキャリブレーションをしましょう。
[ペンディスプレイ] >[作業領域] >[モニターキャリブレーション]
接続周りがシンプルですばらしい。
コードが2環境用入っています。HDMI接続するPC環境と、タブレット環境用。
▲一番右のがPC環境用。残りの三本がタブレット環境用。(うち1本は延長ケーブル)
ちなみに僕はPCではありますがタブレットPCであるSurface Pro 7を使っているのでタブレット環境用のほうでご紹介します。
以前、他社の液タブをご紹介したときはPC環境用のコードのみだったので三又コードをハブで繋げて接続していました。
しかしこのKamvas pro 16(2.5K)ではタブレット環境のコードも入っているのでSurface Pro のようなタブレットPCでもUSBーCで直接液タブと繋げられます。
上のUSB-CでPCと繋げて、下のUSB-Cで電源用コードつなげます。
すごくシンプルです。
電源が近くにあれば延長コードは使わなくてもOK。
必要なのは2本だけです。
液タブ特有のあのコードのゴチャつきやわずらわしさがないですね。
サクッと繋げられるしとてもいい感じですよコレは!
ちょっと待って、Kamvas pro 16(2.5K)ってコード1本でも使えるよ
コード2本でそのシンプルさに驚いていましたが、なんとUSBーCだけの接続でも使えます!!
なのでコード1本で液タブが使える時代になってました。
ぜんすけ
まじかー、シンプルの極みすぎる!!
給電のコードなしで使えるかどうかはPCやタブレット側の性能にもよるみたいですがSurface Pro 7ではとりあえず使えました。
とはいえタブレットPC側のバッテリーを消費するでしょうし、まぁ素直に電源コードと繋げて使ってもいいのかもですが。
しかし、今後タブレットPCのバッテリー性能が向上したら、もはや液タブの接続のシンプルさは究極レベルになってますね。
もはや今後進化するべきはPC側って話ですね。
そもそも常時電源接続しているデスクトップPCでUSBーC接続できる端末を使っているんでしたら、すでに電源コード周りは100点です。
これはすごいですよ。いつの間にかコード周りは理想が現実のものになっていましたね。
Kamvas pro 16(2.5K)のスタンド
こんな感じで完全にたためるスタンドです。
素材も金属で耐久力ありそうです。
本体とスタンド分離タイプなので液タブ本体がすごくシンプルな形状にできるのがいいですね。
収納性にも優れています。
▲スタンド一体型のGT-190(左)、スタンド分離型のKamvas pro 16(右)。
Kamvas pro 16は板タブとしても使えるという特徴がありますので、そのためにもこスタンド分離型の形状は合理的です。
僕が使った感じでは特に不都合はありませんでしたが、角度は上記画像のように段階はある程度決まっています。
かなり浅めの角度で傾けることには対応できないかなと思います。
Kamvas pro 16(2.5K)を板タブとして使う方法
前述のKamvas pro 16(2.5K)の使う準備_電源と接続の接続設定などで2画面として液タブを取り扱う設定を解説しましたが、板タブとして使う場合は液タブ側の液晶ではなくPCのほうの液晶を選択する必要があります。
さらに液タブとして使っていたときは普通に液タブの液晶がついていたと思いますがこれも消す必要がありますね。
その方法は液タブの電源ボタンをおして一度電源をおとしてからケーブルを繋げなおすだけです。
- HuionTabletから [ペンディスプレイ] > [作業領域] でPCのディスプレイを選択
- 液タブの電源ボタンをおして一度電源をおとしてからケーブルを繋げなおす
ちなみに↑の画像のようにCLIP STUDIO PAINTの画面を右の液タブのほうに開いたままやってしまうと変更後に操作ができないので板タブに切り替える前にウィンドウをPCの液晶側に持ってきてから変更するといいでしょう。
Kamvas pro 16(2.5K)でCLIP STUDIO PAINTの動作検証
こんな感じで試し描きしてみましたが、筆圧感知も良好で問題なしです。
Kamvas pro 16(2.5K)の描き心地
上記試しがきだけでなく、実際に仕事のイラストで使ってみた描き心地としても良い感じでした。
視差もありませんし、入り抜きも問題ないですね。仕事で長時間使っていてもなんの違和感もありませんし描き心地については安心していただいて大丈夫だと思います。
2.5K解像度で各種パレットが小さめに収まってくれているので描画画面が広々しているのも良かったですね。
そのおかげで実物を見た初見の印象以上に画面に余裕をもって使えます。
画面に余裕があるのでサブディスプレイだけでなく作業画面のペイントソフト内にも資料画像を開いておける余裕も持てるのは使い勝手がいいですね。
Wacom(ワコム) Cintiqと比較
正直なところ今回触ってみて、ペン周りなど描き心地については甲乙つけがたいレベルになっているなと思ったわけでして、以下の表ではそれ以外のところを比較してみてます。
製品名 | 解像度 | 価格帯 | 色域 | USB-C接続 | タッチ機能 |
---|---|---|---|---|---|
Wacom Cintiq 16 | 1920 x 1080(2K) | 99,880円 | sRGB96% | HDMI | – |
Wacom Cintiq Pro 16 | 3840 x 2160(4K) | 217,800円 | AdobeRGB99% | HDMI USB-C | ○ |
Kamvas pro 16(2.5K) | 2560×1440 (2.5K) | 83,999円 | sRGB145% | HDMI USB-C | – |
Cintiq 16は上位機種のCintiq Pro 16よりも当然劣っている必要があるため、スペック面で最上のものにできないという商品ラインナップ的な制約があります。
Kamvas pro 16は名前にproとついていることからわかるように上位機種なので、Cintiq Pro 16のいいところはおおむね取り入れていてます。
Cintiq Pro 16が4Kなのに対してKamvas pro 16は2.5Kですが、前述したように16インチの液タブにおいては2.5Kがむしろいいのではという話もあります。
そんなわけで価格はCintiq 16よりも安いのにスペックはCintiq Pro 16に近いKamvas pro 16(2.5K)。
こう比較するとあらためてKamvas pro 16(2.5K)のコスパの良さがわかりますね。
3倍近い価格を払ってでも「タッチ機能が欲しい」という特殊な事情がないのであれば、Kamvas pro 16(2.5K)が賢い選択なのではないかなと思います。
ぜんすけ
正直なところ今回のワコムの値上げを見て思いましたが、Wacom以外のメーカーが台頭していて良かったなと思いました。
ペイントソフトの覇権がPhotoshopからCLIP STUDIO PAINTに移り変わりつつあるように液タブもWacomの牙城は崩れてきているんだなと思わされました。
前述のCintiqとの比較表からもわかるように今回紹介しているKamvas pro 16(2.5K)はこのサイズの液タブの定番とすべくHUION社がとんでもないコスパの機種を投入してきたんだなという意気込みを感じました。
Kamvas pro 16(2.5K)の評判は?
僕の使い心地や感想をお伝えしてきましたが他の人達はどんな感想だったのかも気になるかと思うので、ざっとネットでのKamvas pro 16(2.5K)の評判を調べてきました。
AmazonレビューでのKamvas pro 16(2.5K)の評判
2.5K表示の液タブに魅力を感じて購入しました。期待通りの商品で満足していますが、PCとの接続についてはクイックスタートガイドの図解だけでは理解できませんでした。板タブ経験者としては接続すれば終わりかと思って接続しましたが、うまく映らない。よくよく考えたらPCのWin11にディスプレイ2台を認識させる必要があるのだとわかり、何とかなりました。PC接続の注意点をもっと詳しく説明して欲しいです。
Amazonレビューから引用
こちらのレビューでは商品の性能には満足したけど接続について手間取ったということみたいですね。
前述のKamvas pro 16(2.5K)の使う準備_電源と接続にて当記事で接続や設定の注意点を書きましたので、実際に購入した際には良かったら開いて読んでいただけたらと思います。
2.5Kと言うのが思いの外良いです 線の引き方も心なしか繊細に出来るようになった気がする
線を引いた時のラグもほぼ感じません。パソコンとの接続がシンプルなのも良き。残念な点としては初期状態でペンと画面上のカーソルの位置がズレてる気がすることでしょうか。
キャリブレーションを駆使すれば違和感のない状態までは持っていけますが調整が面倒です。
更に画面端ではカーソルの位置ズレが顕著でキャリブレーション後もしっくりこない気が…
ドライバーの更新で改善されることを期待してますがさてさて?文句多めですが結構気に入ってるのでできれば長く使いたいなと思っています
Amazonレビューから引用
僕が使ってみた感じだと確かに初期は位置ずれしていますが、どのみちキャリブレーションは一度はしないといけないので特に問題は感じなかったかなという印象です。
このAmazonレビュー以後で更新があったのかもしれないですね。
他のレビューなどもおおむね良好な意見が多いように感じました。
辛口そうなレビューでもわりとどこか満足していて、上記レビューのように気になったところの改善提案的な雰囲気があるものでした。
総評
総合的にみてとても優れた液タブだと感じました。
ひと昔前のWacom以外の液タブの不満点はすでに過去のものになっているんだなとあらためて感じさせてくれる製品でした。
- 12インチぐらいのを使ってみて狭さ感じた人。
- 逆に20インチ越えの液タブを使って場所を取りすぎると感じた人
- コードのゴチャつきが嫌いでシンプルな接続が好み。
- 15.8インチなら解像度2.5Kがコスパ的に優れていることがわかっている、通な人。
- 逆に液タブなんもわからん……「店長! おすすめどれだい?」って人。
大きさもほどよく各種スペックはかなり良い感じですしきわめてバランスがよい機種ですね。
板タブとしても使えるし、板タブも液タブどちらがいいのかから悩んでしまうようなペンタブ初心者の人にとってもちょうどいいので、どんな人にもおすすめしやすいです。
色々な機種がありますが、このKamvas pro 16(2.5K)は幅広い層の希望に合いやすい、定番の液晶タブレットといえるんではないでしょうか。
人によって求める用途も違うと思うので様々なサイズなどのラインナップがあるんだと思いますが、このKamvas pro 16(2.5K)はカバーできる対象が広いので、人におすすめ液タブを聞かれたときに具体的な要望がなければとりあえずでこちらの機種などどうです?と提案しやすいかなと思います。
僕自身も今回、実際にKamvas pro 16(2.5K)を仕事の背景イラストを描くのに使ってみたうえでこのレビュー記事を書いているわけですが、かなりいい機種で不満点もなかったので今後も使い続けていくと思います!
Huion(フイオン)公式リンク
- 型番 : GT1602-JP-PSE
色 | ブラック |
外形寸法 | 436.2 x 247.3 x 10~11.5mm |
アクティブエリア | 349.6 x 196.7mm |
重量 | 1.28Kg |
折りたたみ式スタンド ST200 20°/45° | |
ケーブル | 3-in-2 ケーブル / USB-C to USB-C ケーブル |
対応OS | Android(USB3.1 GEN1、Displayport1.2以上)、Windows 7以降及びMac OS 10.12以降、Linux。 |
15.8インチのIPSスクリーン | |
186PPIのペンディスプレイ | |
フルラミネートスクリーン | |
視野角 | 178° |
色域 | 145% sRGB |
解像度 | 2560×1440(2.5K) |
作業領域 | 349.63 x 196.67mm |
ペン解像度 | 5080LPI |
レポートレート | 300PPS以上 |
傾き検知機能 | ±60° |
筆圧レベル | 8192段階 |